事象の連なり

■ 1枚の硬貨を2N回投げてN回以上連続して表が出る確率を求めよ.
という問題と,途中までの解答と質問がメールできたのは7月25日.翌日に
「はじめからk回目までにN以上連続して表がある確率をp_k.すると
p_1=\cdots=p_{N-1}=0,\,\,P_N=(1/2)^Np_{k+1}=p_k+(1/2)(1/2)^{N-1}(1/2)
とこの先は等差数列になる.
p_k=(1/2)^N+k(1/2)^{N+1}よりp_N=(1/2)^N+N(1/2)^{N+1}
と解答しておいたが,過去問などを捜して関連問題を解いておいた.98九州工芸大98東北大後期,そして10一橋5番改題である.最後の改題はこのためにつけ加え,M3Wでもやった.上の質問は一橋改題と同じ方法ですぐできる.
追伸(8/24):10一橋5番改題は添削すると何人かの人が和で求めようとしていた,それでその方向からの解答も追加した.
事象の連なりは岩波数学辞典の増訂版1962年発行には「古典確率論」の項の中に載っている.その内容が「事象の連なり」である.ところが1968年発行の第2版にはもう「古典確率論」の項がない.まして現行の第4版にもない.益川先生はどこかで「数学辞典は読むのが面白い.古い版ほど面白い」と言っておられたがその通りである.私は増訂版,第2版,第4版をもっているが参考になったのは1962年版だった.すぐできるとはいえ生成関数まで載っている.現在市販のものでは古典確率論の問題を確認する辞書がないのが現状である.これはよくない.
ということで盆も数学ばかりの一日だった.M3Wは一通り添削した.読んでいると本当に面白くて添削が進まない.次週は大阪である.こちらはどのような講座になるだろう.