CDR申込みの言葉など

残暑お見舞い.いつの間にか9月である.セミはもっぱらツクツクホウシの声ばかりになり,夜の窓の外では虫の声が大きく聞こえるようになった.しかし昼間はあいかわらず暑い.
CDRにTeX原稿その他を焼いて実費で配付して8年になる.この間およそ250枚が配付された.平均月2〜3枚というペースである.この夏は希望者が比較的多く,8月と今日で5枚を焼いて送った.そのうち一人は3回目の申込者で,残る4人は初めての人であった.それらの方からそれぞれに言葉をいただいた.

  • 素晴らしいホームページだと思います。(東京のFさん)
  • 昨年還暦を迎えた、団塊の世代の中年です。大学を卒業してから数学は殆ど勉強していませんが、今回、真剣に学び直そうと思い応募いたしました。興味を持っているのは確率、統計です。よろしくお願いします。(大阪のFさん)
  • 主要な参考書には載っていない数学の考え方を学びたくて、注文しました。(東京の高校生)
  • 興味深く拝見させていただいています。更新等大変でしょうが、これからも続けてください。(関東の高校の先生)

これまでを見ると教員の人が一番多く,次に塾・予備校の人,そしてときどき高校生と一般人,である.申し込みに添えられるこれらの一言には本当に励まされる.同時に,高校数学とその周辺を探求しておくことは,やはり大切なことだし,これからもできるところまでや続けたいと思う.
それで今日は福島医大と岐阜大の問題の解答と,それに関連した四次のフェルマ問題のガウス環での証明を作った.後者はいずれと思っていたのだが,関連問題が入試で出たので作った.ここまでを含めたものを昨日申し込まれた最後の人には入れて送っていおいた.Q(\sqrt{3}i)の整数環もユークリッド環で,ここでx^3+y^3=z^3が解をもたないことも初等的に示せるのだが,これは『初等整数論講義』を見てほしい.CDR作成で悩ましいのは書きかけのものがあるとき申し込まれた方に,遅れてもそれを入れて送るのか,あるいは今の最新のものを早く送るのか,である.2回目以降の人には実費を半分にしているのはそのためだ.CDR用のフォルダのメンテナンスも結構面倒だ.ウエブを更新したときにこちらもこまめに更新しておかないと忘れる.
現在は重心座標と三線座標を『数学対話』に加えようと思っている.それも射影幾何の具体的な材料だ.『幾何学の精神』は今いろいろ考え材料を集めている.幾何学は高校数学で本当に扱いがおろそかになっている.これを何とかしたい.そのためのたたき台のつもりで,この秋いろいろ考えたいと思っている.問題作成が2題増えた.なかなかこれも難しい.
追伸:世間は民主党の党首選挙でいろいろ報じられている.言いたいこともたくさんあるのだが,私は民主党員でもなくサポーターでもないから党首選挙の当事者ではない.歴史の客観的な方向をおさえて,現実の政治動向を分析し検討しているものでしかない.その中で最近感心したのは岩手県知事の記者会見.このような見解を明確にできる知事もいるのだ,という思いである.参考までに.以下その抜粋.

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インターネット上の世論調査では、読売オンラインが小沢さんの出馬を支持するかで、支持するという人が圧倒的、スポーツニッポンの菅、小沢のどちらが良いという調査で小沢さんが圧勝と、ネット世論調査では小沢さんの圧勝というのが出ていると聞いており、そうするといろいろと知っている人は小沢さんを支持しているということなのだと思います。逆に言うと、大手新聞社や通信社等が行っている世論調査では、その対象となっている国民がいろいろなことを知らされないまま答えてしまっているのかと思います。政治と金の問題とか言いますが、いろいろと有名なネット論客の人たちの発言、それがツイッターで普通の人とかともやりとりされている中では、もう政治と金の問題というのは検察がつくった虚構であると。そもそも西松事件も村木厚生労働局長の事件と同じように、検察側が呼んだ証人が検察に反する証言をしていて、無罪になる可能性が高く、陸山会問題も逮捕や起訴に相当するような訴因ではないと。更に言うと、検察審査会の今やっている審査を申し立てた人というのが、外国人の権利に強く反対するという外国人排除的な政治運動を行っている人が申し立てたのであって、かなり小沢一郎は左翼で駄目だ、中国に甘いから駄目だみたいな中で、検察が暴走してこういうことになっていることが、インターネットの中では広く知られるところとなってきているのだと思います。国民全体に知らせるのは、マスコミが報道ぶりを転換すればすぐできるかもしれないのですが、今までのようなマスコミの報道ぶりですと、そういうネット上では共有されている大事な知識、情報を国民にきちんと伝えていくには、2,3年かけて志ある人たちが国民一人ひとりに直接伝えていくということをやらなければならないのだとは思うのですが、今回は民主党の国会議員さんと地方議員さんと党員サポーターですから、2週間あればかなり真実は浸透するのではないかと思っています。

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ここでいわれていることは,昨年の小沢氏秘書逮捕問題の頃からこの「学園だより」で分析してきたことに合致する.「学園だより」のようなブログで意見を書くこともネット世論のうちに入るのだろうか.岩手県知事の発言を裏づける数字.

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  世論調査をしたところ 備  考 小沢支持 菅支持
 一般の新聞など
     毎日新聞          17.0%  78.0%
     読売新聞          14.0%  67.0%
     日経新聞          17.0%  73.0%
   サンケイ新聞          12.2%  75.5%
     共同通信          15.6%  69.9%

 インターネット
  読売オンライン  3/26(出馬表明)20.0%  80.0%      
 (数字が逆転以後、 3/27      76.0%  24.0%
  投稿できない)    ?      ?    ?
  Yahoo!みんなの政治
  ネット投票者全体         48.0%  35.0%
  民主党支持者           71.0%  28.0%
  ダイアモンドオンライン
     首相にふさわしい      55.6%   4.1%
  いない  30.2% 
  その他   10.3%
  ライブドア― 62.8% 37.2%
  スポニチネット 80.0% 20.0%
  goodニュースネット        63.0%  34.0%

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大手新聞社は軍国主義の時代に大政翼賛の論を張り,総動員体制の一翼を担った.同じことをくりかえそうとしている.恣意的な新聞社の調査と異なり,ネットでの自発的な投票は上のようになっている.これを皆さんはどのように考えるか.