米国国務省の沖縄認識

アメリカ政府の日本と沖縄への認識がどのようなものであるか,それが表面に出た.次の報道をよく読んでほしい.
毎日新聞米国務省:和の文化「ゆすりの手段」メア日本部長が発言沖縄タイムス沖縄は「ごまかしの名人」メア米日本部長が発言琉球新報メア米日本部長が差別的発言 「沖縄はごまかしの名人で怠惰」
追伸:3月8日付『沖縄タイムス』がアメリカン大学の学生が作成したメア発言を全文掲載:日本語英語
えっと驚くような発言である.毎日の報道の最後にあるように,これは共同通信のスクープである.メア氏は2009年まで3年間在沖縄米総領事をつとめていた人間だ.そしてアメリカはそのメア氏を日本担当部長にした.メア氏は普天間飛行場移転問題に関わってきた米国の責任者の一人である.彼はどのような気持ちをもって沖縄総領事の仕事をしていたのだろう.愚かであり傲慢であり,同時に凋落する帝国アメリカのその政府の人間性の崩壊を垣間見せる.
しかし「金が欲しいならサインしろ」という言葉は,歴代自民党政権とそして現在の菅政権の本音そのものである.アメリカ政府が日本政府を見下し,日本本土が沖縄を差別する.この構造は何も変わっていない.昨年12月ということは,菅政権がアメリカ政府のいいなりなることを明確にしたあとだ.何ごとも内因から考えなければならない.菅政権の対米従属姿勢がこの発言を生みだしたのだ.
それにしてもアメリカ政府の道徳性というか人間性というか,その崩壊はひどいものである.このアメリカから日本は独立していない.従属する目下の同盟者である.アメリカの支配体制と心中するのか,そこから独立するのか.この発言は基本的な進路をどうとるのかという問題を提起する.ところが,この発言を3月7日の朝日新聞朝刊は1行も伝えない.1面トップ記事にすべき問題であるのにである.毎日新聞と沖縄の2紙以外にこれを伝えたのは他にないのではないか.日本のマスコミがいかにアメリカに都合の悪いことを無視するかの見本だ.御用新聞そのものである.
追伸:ようやく朝日は夕刊10面で取りあげた.その後も社会面である.どうも政治部と社会部で対立があるようだ.
前原外相が辞任した.外国籍の人の献金問題で引責,となっている.しかし問題は外国人の献金問題ではない.問題企業からの献金をごまかすために,帳簿を書き換えたことだ.これは犯罪だ.これに蓋をするために,献金問題を表にして身を引いたのが真相に近いだろう.クリントン国務長官の覚えめでたくせっせと忠勤に励んでいた前原である.しかし八ッ場ダム問題,尖閣列島問題,北方領土問題,等々彼が関わった問題はすべてさんざんな結果になっている.あまりに無能なのでクリントンに愛想を尽かされ「あれはだめだ」となったのかも知れない.あるいは逆に前原が泥舟の菅政権から離れるいい機会だと考えたのかも知れない.
新生の事物が芽を出すために,腐ったものはいったん崩壊するしかないのか,という感じである.
追伸:沖縄タイムスその後.
メア氏発言 あす県議会が抗議決議へ (2011年03月07日 12:13)
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誤った現状認識 米に浸透 メア氏発言 (2011年03月07日 09:47)
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メア氏発言の要旨 (2011年03月07日 09:46)
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