射影幾何(続)

パスカルの定理の再構成とその双対のブリアンションの定理までいけたので,HTMLファイルも更新した.構成がずいぶん変わっている.ここからはいろいろ不備なところをなおしながら,代数幾何的考察に一歩踏み込んでいきたい.そのあたりまでが高校数学の周辺領域として,教える側がおさえたいところだ.こうして一通りまとめると,今度はデザルグの対合定理など本文の読解で読み解いたことを再構成しなければならないと考えはじめた.つまり『円錐曲線試論』の再構成だ.ここまでやってはじめてパスカルを読んだといえるのかも知れない.また19世紀に見出されたいろんな射影幾何の定理も再構成してゆきたい.などいろいろ考えると,いつまでも書きつづけなければならない.
さて,問題作成の仕事をかかえている.7月末までに6問.材料はあるが整理して原稿を書くのは別の問題.今週でI期が終わるのでそれまでに材料を揃え,それから書きはじめて夏期講習までの間に仕上げなければならない.その必要もあって今年の入試問題を集めた『全国大学入試問題正解』(旺文社)を入手し目を通した.毎年買っているが近年おしなべて解答がこなれていない.解くのに精一杯という感じである.大きくいえば,入試問題を出す側と解く側の共同作業として,一つの教育数学空間が生まれるのであるから,そして高校生がその空間に参加すること自体が一つの教育なのだから,もっと余裕をもった解答でなければならない.などと思っていると,また別の問題作成の依頼のメールが来た.来年用のものだ.こちらの締め切りは8月末なのでまだ時間はある.こうして今年の夏期講習とその前後の休みは結構忙しく過ぎそうだ.
写真は羽を休めるオニヤンマ.夙川渓谷上流.