冷温停止?

追伸2件
1) 9.19集会での武藤類子さんスピーチに心を動かされた.読んでほしい.
2) 経産省東京電力の会計規則を変え,原発事故の賠償負担を自動的に電気料金に転嫁できるようにしようとしている.意見を公募している.自分の意見を送ろう.福島核惨事は犯罪だ.その賠償を電気代に上乗せする.それを政府が画策する! (以上追伸).
原発冷温停止「年内に」 細野原発相、IAEA総会で』という記事が躍っている.朝日新聞などは一面トップである.しかし冷温停止などもはやありえないはずだ.そう思っていたら小出先生がそのことを発言されていた.『20110919 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章』である.ここにもある.それを起こしている人がいる.まったく頭が下がる.小出裕章が語る、政府の「冷温停止宣言」の間違い 9/19(1/3)である.

小出「冷温停止というのはいわゆる原子力の場にいる人間の専門用語ですけど。原子炉が正常に運転していた状態で、制御棒を入れて原子炉の核分裂反応を止める。そして徐々に冷やしていって100度以下にするという状態を、私たちは冷温停止と呼んできました。
しかしもう、今の場合には原子炉の炉心自身がメルトダウンをしてしまっている。圧力容器という鋼鉄の入れ物自身がもう底が抜けてしまっている、ふうに東京電力も政府も認めているわけですから。冷温停止というテクニカルタームは、もうそもそも意味がありません」
水野「意味が無いんですか。冷温停止ということ自体がもうありえないということですか」
小出「はい。あのもう、はい。私たちが普段使ってきた冷温停止という言葉は、もうそんなものが使える状態では全く無くなっています。」
水野「穴が開いてるんですもんね」
小出「そうです」

実際は,溶け出た核燃料がいまどのようになっているか,それもつかめていないのだ.8月に東京や岩手の放射性ヨウ素の濃度が上がったように,地下に漏れ出てた核燃料が再臨界を起こしてると考えねば説明のつかない状況もあるようだ.冷温停止どころではない事態なのである.
昨日のデモに参加された方が表参道の植え込みで線量計をおいたら,数値が非常に高いという報告がなされている.東京でこれである.人民新聞1424号に,政府による除染がいかに効果のないものであるかの現地報告が載っている.まず国はもっと事実をあきらかにすべきである.同時にわれわれは自力で資料を集めるべきである.核惨事はまだはじまったばかりであることはまちがいない.
ところが,政府や核開発を進めてきた財界・学界あげて,もういちど原発をという方向を推し進めようという動きが顕著になってきた.福島核惨事は実際のところまったく見通しが立たないのにである.出来るだけ事態を小さく見せようという動きの一環が,さきの細野原発相の発言だ.
その一方で,昨日は東京の脱原発集会には6万人が参加した.レイバーネット日本写真.授業がなければいきたいところであった.これはこの半年の各地のデモや街頭行動の積みあげの上に,新しい段階を画するものだ.
福島核惨事は人災ではない.犯罪だ.ところがその直接の責任者が衆院委員会に真っ黒に墨塗りした書類を出す.東電は,被災者に保障請求書類が提出困難な分厚い書類を書かせる.東電は未だに居直り,国民をなめた態度をとり続ける.政府はその東電を電気料金や増税による国民の負担で救済しようとする.
この怒りが,昨日のデモの参加者の数である.日本の警察は東電を捜査することなく,逆に民衆のデモのおさえつけにかかり切りである.デモは本来国家の管理に抵抗するものだ.思想信条,政治活動と表現の自由は天賦の人権だ.街に出よ,路上をみんなのものに! そういうデモが爆発するときが来るかも知れない.その足音を聞くことができる.