智勝会の人からの手紙

 今日梅田教室にいったら,こんな手紙が来ていますということで,事務の人が静岡のZ会本社気付けで私宛の手紙をよこしてくれた.一読すぐにわかった.昔,大学二,三回生のころ私は京都相国寺の在家居士の会である智勝会で故梶谷宗忍老師に参禅、相国寺専門道場の禅堂で禅の修行していた.その当時の智勝会の京大のまとめ役だった M さんが,私がウエブ上で智勝会のことを書いていることを人づてに聞いて,手紙をくださったのだ.もう43年は会っていない人だ.私が二回生の終わり頃,彼が院生で就職される前であり,今はもう退職されているとのこと,何という時間が経ったのだろう.
 前にも書いたが,私は自分の仏道修行はもう今生では難しいだろうと思っている.しかしあの時代,12月の京都の厳冬の中で1週間間毎晩夜から明け方まで参禅したことなど,ほんとうに懐かしい.これは臘八接心といって,釈迦が成道した12月8日にあわせて,12月1日から8日の朝まで昼夜寝ずに座禅することだ.寒さで足ががたがたに震えても坐を組んで呼吸を整えればそのうち震えもおさまる.大学は学園闘争のなか,相国寺の僧堂でそういう時間を過ごしていた.1967年,二回生の師走であった.Mさんとはいちどお会いしていろいろ話すつもりだ.
 その手紙を読んでから授業にいいって,黒板の前を行ったり来たりしながら,それぞれ何という人生なのかと思わずにはいられなかった.今年は,35年ぶりとか,そういう人ととの出会いの多い年だ.それぞれ退職の時期になり,時間ができたからかも知れない.出会いは大切にしたい.