松の内終わる

 松の内というのは門松やしめ縄を飾っておく間ということで,関西では15日まで.今朝はしめ縄をとりのぞいて,祝い箸などと一緒に越木岩神社の境内のどんど焼きまでもっていった.一昨年少し詳しく書いたところである.写真はその様子.朝早かったので人はまだほとんどいなかった.それでもしばし火にあたっていると,三々五々人が来てそれぞれ火に投げ込んでゆく.
 こうして今年の正月は終わり,大きく何かが動きそうな予感をはらんで,2012年である.と思っていたら,新しい防衛大臣田中直樹氏「辺野古の工事を年内にはじめたい」と発言.あとで少し修正したものの,日本政府の焦りをそのままに本音を言った.琉球新報普天間移設で「年内着工」に言及 防衛相、沖縄の反発も』.単純な防衛大臣であるが,逆に本当は言ってほしくない官僚の本音をそのまま言ったのかもしれない.これがどれほど日本政府の傲慢と沖縄への差別であるか,大臣はおそらくわかっていないのだ.目取真俊さんの言うとおり,これは新たな田中暴言問題である.予感はこうしてさっそくに現実化してゆく.
 『DAYS JAPANN』という写真月刊誌をほぼ毎月買う.1月号は「2012年 何が起こる」と題して予測される未来を次の分野で写真と一文で総括的に編集していた.福島第一原発の行方/地震列島の原発/メディアと記者クラブ/沖縄基地/日本の格差社会/高齢者福祉/青少年の麻薬汚染/中国の民主化/アラブ革命の波紋/パレスチナ問題/アメリカの貧困/EU経済危機/気候変動/児童労働,である.まったくこの地球はいったい何という状態か.
 これらの問題の背後にある本質は,経済を至上の価値とする資本主義のゆきづまりである.政治的には,アメリカという最後の帝国,最後の超大国が,それこそ最後のあがきをしていることである.そのために,この地球という舟が転覆しかかっている.アメリカの最後のそのまた最後のあがきがイランとの戦争になるのか.そして,アメリカの茶会ファシズムが日本の橋下ファシズムを巻き込んで,日本が帝国アメリカと心中するのか.帝国は戦争でしか亡びない,というのはこれまでの歴史の真実だった.もういちどそれをやるか,である.『人民新聞』1434号にアメリカの社会学者の「2012年終末論的展望 」と題する論評が翻訳されている.参考になる.われわれはつねに最悪を想定しその時の腹づもりを考えながら,なすべきことに最善を尽くそう.