琵琶湖デモなど

 今日は滋賀県大津市でおこなわれた「大飯原発3・4号の運転再開を止めよう!関西びわこ集会&デモ」に行ってきた.大津市にある関電のまわりを囲むデモにも加わって,JR膳所駅から帰って来た.子供から老人まで多くの人が集まっていた.集会場からは琵琶湖の向こうに雪で白い比良山系がはっきり見える.若狭原発の惨事が起これば琵琶湖もこのままではありえない.
 関西電力の11基の原発のうち,現在唯一動いている高浜原発3号は2月20日に定期検査に入る.これで若狭の原発はすべて停止になる.いま全国で動いている原発は東電1基、関電1基、北海道電1基の計3基に過ぎない.原発が動かなくても世の中は廻っている.なくてもよいのだ.原発は電力確保に必要だから造られてきたのではない.核兵器製造の担保として稼働されてきた.だから,関電や政府は全原発の停止だけは避けたいと運転再開に向けた動きを強め,大飯原発3・4号の早期再開を目論んでいる.
 これを認めるな,ということで今日の集会とデモであった.会場は満席,通路も人で埋まっていた.子供を連れた人も多く,にぎやかであった.集会では,何十年ぶりかという同郷の人にも出会い,またこの間大阪のデモで見知った幾人かにも出会った.
 そのうちの一人の人といろいろ話したのだが,戦後政治の中での原発という観点から見れば,原発問題と沖縄問題は根が同じであることが見えてくる.先の戦争で,それを推進した日本の政治機構は,戦後もそのまま残された.そして沖縄を実質米軍の占領下に置き,原発核兵器製造の能力を保持しながら,ひたすらに経済的な繁栄を追いかけてきた.
 先日来,防衛省沖縄県での出先である沖縄防衛局の真部朗局長が話題になっている.沖縄防衛局は,昔の言葉で言えば米軍と霞ヶ関官僚の悪代官である.局長講話は公選法違反行為そのものである.しかし警察や検察がこのことで動いたということはない.日本の検察は必要なら国策捜査をやり小さなことで政治的に追い落としをやるが,逆にこのような事案では官僚どうしのかばいあいから国策・不捜査もやる.核惨事という犯罪をおかした東電に対して何の捜査も行わないと同じである.先日紹介した『本土の人間は知らないが、沖縄の人はみんな知っていること 沖縄・米軍基地観光ガイド』にもあるが,このような問題の根本は,日本という一つの国に外国軍が駐留していることである.フィリピンもかつてはそうであったが,その後,外国軍の駐留は認めないということを憲法に明記し,アメリカ軍基地を撤去した.
 日本においてわれわれのこれからの課題は,日本列島弧に暮らす人間の意志として,次の二点を明確にし,これを実現する政治をうち立てることである.

 ◆ 日本国に外国軍の駐留を認めない.  ◆ 原発を止め燃料廃棄の過程に入る.

 意志の明確化に必要ならこれを国民投票に問う.まずそのための選挙管理内閣を作る.このような過程を経るかも知れない.いずれにしても,今日集まった人たちの思いを実現するためには長い紆余曲折を経た過程が必要である.この二点に関して個別に意志を問えば過半の人は賛成である.しかし政治的な意志として集約されなければ力とはならない.誰がどのようにそれをやるのか.情勢と条件とそのために自己を犠牲にする人間と,それが必要である.