入試問題を解く

今年の入試問題を,ちょうど1週間で19題解いた.PDFファイルからpngファイルを作りそれをOCRシフトでテキストに取り込んで校正,それから解く.できたらTeXにかけて,それをGIFファイルにして青空学園に上げる.PDFファイルも作る.このような作業なので,実際に解いてみるその前後が結構大変である.
日頃から生徒には,「必ず,答を見る前に自分で考えろ」といっている.そうしないと数学の世界に入りきれないし,自分で問題を読んでその問いの世界に入り込むところが大切なのだが,その訓練にならない.これを自分に当てはめれば,入試分析会などで喋る以上,まず自分で解いてみよ,ということになる.ということで仕事上の必要なのであるが,ま,問題を解くのは昔からきらいではない.最近の生徒の現状を反映して,かつてのように高校数学に問題提起をするような出題は少ない.問題作成上の工夫をいろいろ見ることができて参考になった.
ところで,今日から合格発表である.いくつかメールももらった.数人の合格報告と,一人残念報告が来ていた.先日も書いたが,最近の大学はあまりにも学生生活の縛りがきつくて,面白くない.学生がもっと自由に考え行動する場こそ,大学でないといけないのだが,そんなことはとうの昔に失われている.だから,ある意味ではどこの大学でも同じなのだ.縁があったところでがんばればよいし,他にしたことがあればいかなくてもよい.大切なことは,なにより自分の世界を深めることだ.
前に高校生にむけて『勉強のすすめ』を書いた.2008年の経済危機の後,補筆した.その後,日本に核惨事が起こった.当然原発を支えてきた大学の知あり方も問われた.だから,大学に進むことも,あるいは,勉強するということ自体も,もういちど考えなければならないところに来ている.核惨事を受けて『勉強のすすめ』を書き直したいと考えてきた.しかし,これはまだ私の手にあまる.机の上だけで書くことはできない.というより,いよいよ問題の深さがようやくに見えてきたというところでしかない.ということで,そろそろ私も冬籠もりを終えねばならない.