時代の胎動

nankai2012-04-23

 昨日は朝から雨であったが,御堂筋デモに行ってきた.デモの時間はちょうど雨も上がった.デモの趣旨は「小沢は無実だ.検察の横暴を許すな.消費税増税反対.原発再稼働反対.TPP反対.アメリカからの自立」等々.途中参加も含めて50〜60人のデモ.小沢氏の大阪担当の秘書の人も挨拶にきて途中まで一緒にデモしていた.参加者の半ばは私と同じ還暦も過ぎた老人だが,子供連れもおられた.東京の集会から夜行バスで帰ってきたという人,逆に東京から日帰りで駆けつけたという人など,熱気と元気があった.皆さんお疲れ様です.考えてみれば,このように老人がネット情報のような口コミで集まりデモをするというのは日本の歴史でなかったことだ.昔から老人は保守的ときまっていたが,昨今は違う.孫や子のために,この酷い日本の現状を何とかしたいという,老人力である.
 デモのあと日本橋の「討論Bar・シチズン」でのうちあげ会も参加.みんなと話してきた.こういう小さなデモや集まりに時代の胎動を知ることができる.26日には,検察審査会による起訴議決の結果強制起訴された小沢一郎氏に判決が出る.この検察審査会は,その人選や起訴議決に至る過程に数々の疑惑が存在する.例えば,検察は捜査報告書の虚偽記載を行なっていた.自分たちが起訴できなかった案件を,素人である検察審査員に起訴されるために,虚偽記載満載の捜査報告書を作成した.だからこの議決自体が無効である.権力は腐敗する.これは戦後の歴史でも特筆すべき冤罪事件である.東電の企業犯罪に対して何の捜査も行わず,逆に政治的対立者には冤罪で政治生命を断とうとする.26日裁判長の出す判決内容がいずれにしても,この日から,運動してきた側も次の段階に進むということだ.
 デモを終えてうちあげ会の所まで日本橋筋を歩いていると,20年ぶりという人に出会った.まったくの偶然で,少し歩く道筋を変えていたら出会わなかった.昔高校教員を辞めて塾業界で働くまでの10年ほど,いろいろなことをしていた.当時同じ釜のメシを食ったHさんである.その後互いに音信はなく,こちらが後ろ姿に気づいて追い越して振り向き向きあって双方思わず「どうしていたんだ」であった.今は,いろんな障害をかかえる人の自立と社会参加支援の活動をしているとのこと.互いにこの20年,いろいろあったのだろうが,元気そうだった.なんということだ.時代が人と人を再会させると先日書いたばかりだ.互いの連絡先を交換して分かれた.
 フランスの大統領選挙.1回目はオランドが首位.今回の選挙で注目すべきは,メランション候補だった.メランション左派党についてはいろいろ報じられ,ブログなどでも取りあげられてきた.仏メディアの旅村野瀬玲奈の秘書課広報室イル・サンジェルマンの散歩道パリ・南仏 コートダジュールの日記.基本は,闘いによって人間の尊厳を取りもどそう,ということだ.昨日の選挙の結果,得票率10%で第4位につけた.これからのフランスで大きな勢力となる.日本においては,このような若い新しい政治的結集点が,今はまだ橋下氏しかいないというのが現状だ.26日を過ぎると,このことが課題になる.いずれにしても今は,大きな動きが表に出る前の時代の胎動期である.時代の胎動の中に身をおいて考えよう,若者に切実に呼びかけたい.写真はイトトンボ.24日夕方撮したのに差し替え.
 追伸(24日):23日におこなわれた森ゆう子議員の記者会見を見たが,立派である.この会見も大手マスコミは無視するだろうが,このように伝わるべきには伝わる時代になっている.ぜひ見て考えてほしい.この間の経過はブログ「一市民が斬る」に詳しい.この人の行動力にはほんとうに感心し敬服する.