カワセミ

昨日の夕方,犬を連れて夙川上流を散歩していたら,すごい望遠のカメラをもった人に出会った.年齢はこちらと同じくらい.ときどき見かける.「ここではカワセミも見られますよ」と声をかけたのはいいのだが,「私はもう500枚はカワセミの写真ととっています」といわれ,カメラの写真を見せてくれた.驚いた.彼はほんとうのプロなのだ.さらに「カワセミの写真を撮ろうとすれば朝5時に来ることです」.このあたりには三匹はいるそうだ.三匹一緒の写真も見せてもらった.これから縄張りを決め単独行動になるそうだ.「これは今年生まれたのです」等々写真を見せながら説明してくれる.生態にも詳しい.
昨日そこに来る途中で,二匹のタマムシが農道際の木立のうえを飛んでいるのを見た.つかまえようとしたが網もなくとれなかった.それで「さっきタマムシを見ました」といったら「ここでも見られます」とタマムシの写真も見せてくれた.きれいだ.ということで,自分の趣味の段階とはかけはなれたプロの腕とできばえにただ驚くばかりであった.
昨日そういうことがあって,今朝7時頃,日課の散歩で同じ所を歩いた.5時頃一度目は醒めたのだが,起きられなかった.それでもがんばって7時に出た.そうしたらカワセミに出会った.今年生まれた若いオス.向こう岸にいて,川面を凝視し,さっと飛び込んで魚を捕る.今朝は一匹だったので,縄張りにやぶれて,この時間に餌をとっていたのかも知れない.春にもう少し上流の川岸の土手に巣をつくる.写真はその今朝のカワセミ.私の望遠ではこれが精一杯である.向こう岸のを撮るには昨日の人のような40cmはあろうかという望遠レンズが必要だ.
このような環境は人間が残さなければならない.30年前の夙川には,タイコウチもいたしミズスマシもいた.上流にマンションができ,また道路際の溝の水も流れ込むようにしたころ姿を消した.タイコウチは苔を少し大きくしたような水草に卵を産む.その水草がなくなって,いなくなった.このカワセミはいつまでここに棲めるのだろうか.