日本未来の党で連合を

滋賀県知事の嘉田さんが「びわこ宣言」を発表するとともに,新党「日本未来の党」を立ち上げた.ここに「国民の生活が第一」や「脱原発」も合流することになった.いろんな人のいろんな努力があったのだろう.この間の小沢さんや亀井さんの所の動きは,それでも議会内の動きであったが,今回は滋賀県知事が知事は辞めないということで呼びかけ,いろんな議会外の人の賛同も得ての立ち上げた.これまで反原発のさまざまの運動をしてきた若い人らの中からも,ここでならということで議会に出ようという人が出てくる可能性もある.
日本未来の党は,実際は共同行動=連合戦線の組織である.原子力政策を中心とする旧体制の諸政策=悪政,これと闘う連合戦線である.日本の運動はこのような連合組織がほんとうに苦手だった.他との違いを強調することに力を入れてばかりで,互いに譲りあって手を取りあって,闘うべき相手と闘うということは,本当に苦手であった.それがようやくに,このように連合して原子力村と闘うという組織が生まれた.党を名のっているが,実際は連合のための組織である.
現在の議会選挙では,一つの政治組織を作らなければ,比例区の票が生きてこない仕組みになっている.一人の人が選挙区は各組織名で立候補し比例区は連合組織を作りその名で立候補するということが可能なら,別にこれまでのまま国民連合でもできるのだ.しかし現在の選挙法はそうなっていない.このような選挙制度は,支配層が反対派の連合を阻害するために設けたものである.だから今回の動きはこの旧体制の分断の思惑を打ち破る試みなのだ.選挙のための互助組織で一向にかまわない.選挙が終わればまた大いに議論すればよい.脱原発,反消費税など基本政策で統一しながら,もとの組織に戻るひとがいてもよいのだ.もちろん,選挙後の取り組みが肝心だから,未来の党脱原発=反旧体制の連合組織として,議会内外の運動の母体とならねばならない.
いろいろ不十分なところもあり,党名ももっと違うのがいいのではと言う意見もあるようだ.しかし皆がそれぞれに知恵を出しあいこれでいこうとなったら,ここはそれぞれが譲りあって,これを支持すべきである.ようやく日本の歴史にもこのような連合が生まれた.旧体制を打破する上で,これは必要なことである.旧体制=原子力村を打ち破り,国民の生活が第一の新しい日本を生みだし,そして新自由主義資本主義とたたかう世界中の多くの運動とつながってゆくことを願うという立場から,これを支持したい.現代はやはり,新自由主義資本主義と闘い人間原理を一つまた一つと打ち立ててゆく時代である.先日の小沢氏無罪もそのような闘いの結果であったし,日本未来の党の結成もまたこの時代の一歩の前進である.
古い党の概念から抜け出せない志位さんの共産党や福島さんの社民党は,このような動きに対応できないだろう.というより,これからの歴史の新しい段階では,19世紀、20世紀に起源をもつ古い党は歴史的な役割を終えてゆく.社民党を出て未来の党のために汗をかいた阿部さんはこの辺をそれなりにつかんでいたのかもしれない.さてここから新しい政治を担いうる組織をどのように形成してゆくのか.それは開かれた問題であり,多くの試行錯誤を必要とする.
(夜加筆)ここまで書いて,今日の午後3時から大阪市の汚染瓦礫の焼却に反対している人たちの緊急行動があったので,少し参加してきた.この汚染瓦礫の焼却では,前にも書いたが,徳島県などは道理を上げて反対している.「徳島県としては、県民の安心・安全を何より重視しなければならないことから、一度、生活環境上に流出すれば、大きな影響のある放射性物質を含むがれきについて、十分な検討もなく受け入れることは難しいと考えております。」これが徳島県の結論である.その通りである.ところが橋下大阪市長は瓦礫焼却をする.試験焼却がはじまるということでの行動であった.このままでは大阪湾の埋め立て島舞洲でやりはじめる.こちらは授業もあり早々に引き上げたのだが,黙らずに言い続ける人の存在はかぎりなく大きい.
午後の日に映える大阪市庁舎は美しい.が,橋下市長の政治行動はこのうえなく醜い.私は教員だったので思うのだが,橋下氏が中学校の頃,もっと親身になって彼の悩みを聞いてくれる教師に出会っていれば,こんな事になっていなかっただろう.そういう意味では彼もかわいそうなところがあるし,学校教員の側もこういう人間をつくってしまった責任を感じなければならない.彼はおそらく中学のときの教師たちに憎しみをもっていて,そういう人間が少なくなく教師や公務員をたたけば支持が増えることを,自分の経験から知っているのだ.政治家としてやってゆく以上,自分の経験が基礎となるのだが,彼はその経験を取り違えてしまった.