シリア攻撃?

 アメリカがシリア・アサド政権に対して空爆をする方向である.かつてアメリカはイラクフセイン政権が大量破壊兵器をもっているといって,イラクに攻め入りフセインを殺した.しかしそのような破壊兵器は見出されなかった.歴史上,大量破棄兵器を使ったのはアメリカそのものである.すなわち広島長崎への原子爆弾である.実際に使ったアメリカが,もってもいないイラクに言いがかりをつけ,攻め入ったのが,イラク戦争だった.しかし,アフガン戦争・イラク戦争アメリカは多大な戦費を浪費した.その金は,産軍複合体に流れた.そしてその浪費の結果何が起こったか.それがリーマンショックであった.
 アメリカは同じ轍を踏もうとしている.オバマはそれがわかっている.しかし,このまま産軍複合体の「戦争を」という要求を拒否すれば,ケネディの二の舞になりかねない.エジプトに対しても,イスラエルに対しても,アメリカの力は落ちてきている.それもあって,シリア攻撃をやろうとしている.しかし,化学兵器を使っているのは,証拠としてあがっているかぎり,逆に反政府派の方である.そのことをイギリスはわかっている.それで,イギリスは議会の反対を理由に,戦争参加を取りやめ,この攻撃には加わらない.イギリス議会は「アメリカは勝手にしなさい.イギリスはその道連れにはならない」という意思表示をした.これをおしてアメリカがシリア攻撃に踏み切れば,それはリーマンショック以上の破滅的な結果になるだろう.帝国アメリカの凋落をそれだけ早めることになるだろう.
 この2,3日の動きでは,オバマもイギリスにならい「議会の承認を求める」という.あるいは,議会にゲタを預けて実質的にこのシリア攻撃を棚上げにするのかも知れない.アメリカの軍産複合体の目論見は崩れつつあるのかも知れない.おそらく裏では,凋落しつつあるものが必死で働きかけをしているだろう.これらの動きに着目すれば,一つの切り口での現代という時代のありさまが見えてくるだろう.いずれにせよ大統領の権威は大きく揺らいだ.それはつまり,もはやこの帝国が歴史の転換点でその方向が決められず,そのことによってますます,帝国の権威と力を失ってゆくということである.これに対して安倍政府は,アメリカがシリア攻撃を始めれば即座にこれを支持することを表明しようとしている.おそらくは莫大な戦費負担を強いられるだろう.こうして,安倍日本はひたすらアメリカとともに凋落する道を歩む.原発に対する対応と同じである.
 今日は午後一時まで大阪の北の方で授業.それから肥後橋に出て昔からの知り合いのYさん夫妻,T君.Nさんと会食.京都ベ平連での知り合いなので,もうかれこれ40年のつきあいである.Yさんはいくつもの大病を越えてこられた.Tさんんもいろいろあった.それぞれの人生を思いあいながら,三時過ぎまで会食.それから梅田に戻ってTさんとは飲み直し.沖縄料理店で沖縄料理と泡盛をいただき,書斎に戻ってきた.私の貴重な時間であった.
 写真はホテイソウの花.ホテイソウはどこでも売っている.これを瓶に入れて日当たりのよいところにおいておくと,どんどん増えて,こんない可憐な花が咲く.そして一日のうちに凋んでしまう.夏の日の記録である.そして今朝見た夏の蝶.ゆっくりと羽を休めていた.こうして八月は過ぎてゆく.