謹賀新年

明けましておめでとうございます
 今日五日,地元の越木岩神社に参拝した.元旦は人出が多く,こちらは感染症には気をつけろといわれているので,今日にした次第.それから二人で,昔住んでいたところの隣の家にあいさつ.さらに,かつての高校での同僚の家も訪問.夫妻とこちらの二人は皆,昔芦屋市で中学や高校の教員をしていた.久しぶりに話をして戻ってきた.年末年始は,子供たちの家族が来てくれて大晦日は退院祝い,元旦は京風の白味噌とかしら芋の雑煮,おせち料理を皆でいただいた.二日は義姉夫婦とその子供,つまりは甥,姪の家族が来てくれて,これも新年あいさつと退院祝い.三日間,よく食べて,ようやく体重も少し戻ってきた.
 皆と話をし一緒に食べながら,少し大げさでもあるが,生き延びたなぁと思う.私の親は,二十数年前,それぞれ大腸と肺に癌ができた.辛抱強い人たちだったので,いよいよとなって医者にかかったときは,もう末期だった.母は六十代,父は七十代で亡くなった.癌も器質化肺炎も原因はよくわからない.癌になって手遅れになるか,とりあえず治る病になるかは,偶然であるような気がする.その肺炎も何とか治る範囲のうちに入院し治療できた.後は養生するというところになった.つくづくと生きているというのは,生かされているのだと思う.
 三日からは,入院中にあらかたを仕上げた『解析基礎』や『幾何学の精神』のHTML版を作っている.改めてVineLinux6.2をインストールし,設定もしてはじめた.こういう単純作業は嫌いではない.いろいろ直しながらなので,『幾何学の精神』はもう少しかかる.PDFの方は最新版なのだが,全体の構成もわかるように,HTMLの方も最新版にする.あわてず,あせらずで,青空学園の制作を続ける.いわば,これが自分なのだから,生かされている間は,よりよいものにしていかなければならない.
 そういう人間として,今年はどのような年になり,また自分に何が出来るのか,考える.この三が日,針谷大輔さんの『右からの脱原発』(2012.11発行)を読む.関連するブログ「右から考える脱原発ネット」もある.内容には触れないが,いろいろ考えさせられる本である.旧来の意味での右派,左派はもう今日では意味をなさない.世の変革運動はその時代時代の情報技術によって規定されてきた.活版印刷の発明は宗教改革の土台であった.ロシア革命は,輪転機と鉄道輸送がその土台の情報技術であった.革命家を秘密裏に運ばなければならない.ここに秘密結社としての党が必要となる.フランス革命,そしてマルクスからレーニンに至る過程で旧来の右派や左派が形成された.
 そして,今日の情報技術は,また新しい枠組を必要とする.その枠組をつくる基本は,人間原理に立脚するかどうかである.針谷さんのいう「子供たちの命と麗しき山河を守るために」は,まさに人間の原理である.今年,思想としての人間原理について,もう少し深めることができればと思う.また,もっと人間として,互いに結びあうことができればと思う.
 ということで, どうかことしもよろしくおねがいします.