腐敗進む原子力村

原子力村のいっそうの腐敗が進んでいる.核汚染が広がりますます手に負えなくなる中で,それをごまかそうとして腐敗が進む.真実を探すブログさんの記事「【これは酷い】原子力規制委員会の報告書、ストロンチウムという言葉に当て字を使用してネット工作!トに漢字の「卜(ぼく)」」や「原子力村が重要な資料の言葉を変えて、ネット対策をしていることが判明!東京電力⇒東京電カ(か)柏崎原発⇒ネ白崎」に教えられたのだが,ネット検索であがらないようにウエブに置くときにあえて字を変えている.「ストロンチウム」で検索すると通り一遍のサイトが並ぶが,「ス卜口ンチウム」で検索するといろいろ出てきた.この小細工がばれて,原子力規制庁がサイトを修正した.OCRソフトのせいだと言い訳をしているが,誰も信用しないだろう.原子力規制庁とは,こういう小細工をして情報が拡散しないようにしようとするところなのだと考えるのが当然である.このように腐敗したところが,再稼働の審査をするのである.これが今の日本である.
その中で,東電訴訟で「子どもたちを被ばくさせ続ける国と東電を許すことはできません」本田さん意見陳述の内容はいろんな意味で胸を打つ.私も訴訟団の一員だがそれは名前だけで,このような一人ひとりのこの3年間など何もわかっていなかったのだと思う.前にも書いたが,全国の過疎の所には学校が統廃合されて校舎と運動場が使われないでそのままになっているところがいくつもある.こういう所に寄宿舎を建て,とにかく子供らを先に避難させる.地元もこれを暖かく迎え入れる.この3年,政治がまともであれば,まずなされねばならなかった.しかし実際は,個人に責任を負わせ自主避難した人を放置し,避難しない,できない子どもらは,放射線管理区域の線量の中で今も暮らしている.
福島第一原発の凍土壁工事が始まって1週間.はや難問が出てきた.地中の埋設物で凍結管が埋め込めないとろろが170カ所.1500本のうち1割以上が一定の間隔では埋め込めない.この工法は民主党時代にも検討されたが,現実的ではないと見送られた.いかに難しかろうと地下ダム(遮水壁)は作らねばならない.しかしこの凍土壁工事は,核燃料がすでに格納容器の底にはなく,地中深くで地下水にふれている可能性については考えないままの工事ではないか.またこれは何かやっていますよ,というアリバイ工事でしかないのではないか.凍土壁が困難でこの工法では地下ダムはできないことなどわかっているのではないか.この凍土壁工事に350億円の予算である.
最終的な成算はないままに,アリバイ的にその日その日を進んでゆく.これはかつて十五年戦争をすすめた日本軍部と同じである.昔陸軍,今東電.とにかくオリンピックまでこのままゆこうとしている.しかし,昔の陸軍にも八月十五日は来た.ただあのとき,日本の人民にとって八月十五日は外から来た.それに対して,自らの手でムッソリーニを倒したイタリア,レジスタンスを最後までやり抜いたフランス.白バラ反ナチ運動の良心があったドイツ.考えてみると,彼らは第一次世界大戦の教訓を生かせずもういちどの大戦を引き起こしたその無念の中で,ファシズムと闘った.
歴史の教訓は二度くりかえさないと根づかないのか.とすれば,われわれは今,二度目の敗戦に向かっていると言えるかも知れない.そして今度こそは,われわれの手で原子力村を解体しなければならない.向こうは秘密保護法や自衛隊の海外派遣,監視社会のマイナンバー制度等,人々が立ちあがり直接の力で闘うことを押さえつけるさまざまの準備をしている.しかしわれわれにもいろいろな方法がある.何より,人間の心がある.実際の方法は,現実の条件の中で見つけてゆく.まず,このような情報技術を用いた人の輪を!