関電前行動と沖縄の風

秋である.秋のはじめの関電前行動川内原発再稼働に向けた原子力村の策動が露わになるなか,夏の時よりも多い人が集まってきた.ハングルで「脱原発」と書いたのであろう(私は読めない)プラカードを背負った月光仮面も現れた.確か前に十三デモであったような等,いろいろ考えながら,声を合わせてきた.
関電前抗議集会に出始めて,もう2年以上経った.最初は2012年7月6日だっただろうか.それから2年強,こちらもいろいろ考える場になったし,また同時にこの行動の広がりと深まりを確認することもできた.いつもの彼と出会い,一緒に行動してそれから戻ってきた.
さて9月のはじめ,市町村議か選挙がいくつかあった.とりわけ9月7日は沖縄県の市町村議会選挙であった.その結果に中に新しい動きを見ることができる.
まず与那国町では,自衛隊配備に賛成の町長の下,町議会選挙が行われた.定数は6.これまでは自民党が4,自衛隊配備反対の無所属が2であったが,7日の選挙の結果,一位当選は反対の候補で,自民党候補が一人落ち,3-3の同数になった.
それから西表島の属する竹富町では初の女性議員が誕生した.公明党の議員である.自民党の補完勢力になって久しい公明党中央に内部から異議を出していってもらいたいものである.竹富町は,これまで町長派は議会では少数であったが,この選挙で与党が多数となった.
沖縄本島では,名護市議会選挙で稲嶺市長の与党が過半数を占め,辺野古基地建設に反対である住民の意思が再々度示された.高江のある東村村議員選挙で映画『標的の村』にも登場していた国にも訴えられた伊佐真次さんが当選した.地元の意志が形になった.「ありがとう、伊佐さん!!高江から新風を。」はその息吹を伝える.『標的の村』はその続編が企画されている.その三上智恵さんの『鮮明に浮かび上がった「不屈の精神」・沖縄統一地方選挙で示された民意とは』は読み応えがある.
沖縄の風というべき動きが議会選挙にも現れた.これはわれわれを励ます.しかし,辺野古,高江について政府も必死である.なんとしてもアメリカを引き留めておこうとしている.日本の官僚政府にとって,アメリカの存在こそがその後ろ盾なのだ.福井地裁判決の意味を無視して,川内原発再稼働しようとしそれに向けた政府の動き.沖縄現地の意志を無視してもアメリカを引き留めるために巨大基地を辺野古に建設しようとする政府.
関電前行動の主催者は,再び「安倍 NO デモ」を企画している.原発と沖縄の課題が,同じ内容をもち,現政府を倒さなければ何も前進しないことが共有されてきている.私自身はこのような行動の場に身を置いて考える.それでやってきた.ずいぶん色々考えるきっかけをもらった.こうして命長らえた分,もう少しやらねばならないと思う.