治癒

 治癒ということになりました.いろいろ励ましの言葉をいただいた皆さまに,報告と感謝を申し上げます.
 今日は二ヶ月ぶりの診察の日.市民病院までいってきた.レントゲンも変化なく異常なし.これで治癒ということになった.入院していた5階の看護師詰め所にあいさつにいって戻ってきた.昨年の11月18日入院であるから,それから11ヶ月.発病していたのは九月はじめと思われるので,それから言えば14ヶ月.入院時の検査のとき,肺に負担が大きすぎるということで,気管支鏡で肺組織を採ることはしなかった.それで,器質化肺炎好酸球性肺炎かの確定診断はない.いずれにしてもステロイドがよく効いたことはまちがいない.この種の肺炎は再発の割合が高いので,油断できない.これからは年に1回,半日ドックで健康診断を欠かさないということになった.
 自分の親たちのことを考えると,治る病気か不治の病か,それはほんの偶然であるように思われる.こうして生かされてみて,いろいろとものの見方や考え方に,これまではなかった奥いきができたように思う.それと食事が少し変わった.酒と刺身はあいかわらずであるが,玄米と自家製味噌,梅干し,無農薬野菜.魚のアラや肉類の塩麹漬け.これらが主食である.消化器の調子は大変よい.日々,人間の体は食べ物で再生産されているので,白米か玄米かの違いは,積み重なると大きいように思われる.
 写真は,金曜の夕方,犬の散歩途中に遭遇したイノシシ.西宮は夙川上流の遊歩道である.こちらは犬を連れているので一瞬緊張したが,向こうも慣れているのか適当に離れていれば,それ以上のことはなし.子どもはもう巣立ったのだろうか.一匹であった.あるいはその子どもが大きくなったのかも知れない.右の前足を少し引きずっていたので,けがをしているようだが,遊歩道脇の水の流れているところに降りて水を飲んでいた.ドングリなどを食べによく現れる.イノシシ特有のフンもよく落ちているし,掘りかえした跡を見ることも多い.この夙川上流東側の辺りの地名は「獅子ヶ口町」という.この「獅子」はイシシのこととのこと.昔からイノシシの多い一帯であったようだ.もう少し上流に行けばもう六甲山に連なる山である.子育てもたいへんで,イノシシにとっても生きがたい世の中である.
 そういうことで,こちらの病は一応の治癒となったが,日本政治の病は,まさに膏肓に入るという感じである.2人の閣僚の辞任を受け,その影響を少しでも減らそうと株価を上げた.これは政府による買いである.その資金はどこから出ているのか.年金原資などである.これはこの間の株高を演出する手口である.その株価が暴落したら国民の資産が大きく減じる.その責任は誰が取るのか.
 安倍内閣の本質は,国際的に広がる右翼潮流の台頭の中で,唯一国家権力を握っているファシスト政権=ザイトク政府ということだ.小渕や松島の辞任は,この政権の本質を隠すための目くらましである.靖国参拝をしなかって2人が切られて,あの3人はそのままである.このような原子力村やその政権・ザイトク政府の腐敗と堕落は資本主義が終焉を迎える中での一場面である.問題はそれを許しているわれわれの側である.いろいろな意味でまだまだである.経済よりも人間を第一とする人々の力がもっと大きくならないと,同じことがくりかえされる.
 やはりなし得ることはしなければと思う.評論家のように外から,あるいは上からものを言うのではなく,人間としていうべきことを言う.いや,秘密法施行の12月10日以降は,それ自体が心してかからねばならないことになるかも知れない.このときこそ,このような情報とそれぞれの生き方の共有は大切だ.いずれにしてもここはじっくりやらねばなるまいと思っているし,やりかけのことごとは,できる形で仕上げてゆかねばならないと,つくづく考えている.