春の夜の金曜行動

今日は定例の金曜行動の日.梅田駅から30分.春の宵の大阪の街を堂島まで歩く.軽く食事をして関電前へ.いつもの彼とも一緒になって,声をあげてきた.主催者は若い働き人が中心で,今日は仕事が忙しそうで,やっと7時にいつもの女性がスピーカーをかかえてバイクでやってくる.それから始まった.少しずつ人も増え,主催者のいつもの人達もやってきた.高浜原発の稼働差止仮処分申し立ては認められた.一方で,川内原発は却下された.それへの怒りもあって,熱気のある集会となった.この持続が力である.
このようなところから始まった若い人らの行動が,民主主義のための緊急談義を主催するSADL_OSAKAのような行動や,秘密保護法廃止!ロックアクション,ここは5月6日にサウンドデモをやるとのことだが,このような運動につながっていってることを,現地でもらったビラなどで知った.この広がりを現地で確認する.これは嬉しいことだ.
しかしそれにしても,凋落する近代日本である.中国が提唱し今年発足するアジアインフラ投資銀行AIIBに日本は取り残された.主体的な選択ではなく,アメリカの,それも一部の産軍複合体とその金融同盟の指示を真に受けた安倍政府の結末である.世界は大きく変わりつつある.このAIIBをもとにする新しい枠組は,遠からずドルが基軸通貨であることを崩すし,世界の多極化を促し,またそれに対する新しい体制となる.日本は,つまりは150年前に西洋化で始まった近代日本は,この世界の動きから脱落しつつある.
同時に,産軍複合体とその金融同盟自体がその力を失いつつある.イギリスもフランスもドイツも,それを読み込んで次の多極化した体制の中での位置を得るためにAIIBに参加したのだ.安倍政府のやっている時代錯誤は,アメリカやEUから見ても,滑稽な段階に入りつつある.しかしこれはヒトラーが台頭したときと同様である.あのときも,あんなヒトラーに何ができるかと,多くの人は思っていた.それがあのようなことであった.日本で今おこなわれている市議会選挙でも,安倍の馬鹿さ加減を受け入れる候補が多数であり,またそこに票を入れる人も多いのだ.もういちどあの愚かなことをやらなければ歴史の教訓にはならないのか.
その一方で,現実の日本国は福島第一原発がいよいよ手に負えないものとなってきている.最近もまた,地下に解け出た核燃料が再臨界を起こしているとしか理由のつけられない現象が続いている.まったく人間のコントロールは外れてきている.このような事故が起こったとき,それにどのように対処したかで,その文明が,持続しうるか否かがわかる.この間の民主党政府から安倍政府の対応は,この近代日本文明が,この核惨事にまっとうな対応をすることができず,もはや持続し得ない文明であることを示している.多くの人がそのことを見ないふりをして,その日その日を過ごしている.
が,しかし,先に紹介したように,若い人の中からも,このような問題に正面から向きあおうという人らが出てきている.近代日本はいちどは徹底的に凋落しなければならない.近代日本は,AIIBのような新しい枠組から取り残され,経済的には凋落する.今はまさかと思われるだろうが,そうなる.しかし同時に,時代は経済第一の段階から人間第一の段階への,大転換期である.国破れて山河もないところから,やりなおさなければならない.その中で,まったく異なる価値観と原理を見出さなければならない.私はそのように考えてきた.今日の行動の中でもその希望は消えてはいないことを確認した次第である.