夏の終わりに

 この一週間はいろいろ忙しかった.地域の取り組みとデモなどに出かけることが,自分のなかで混然一体の日々である.23日日曜日は地元自治会の納涼の夕べ.昔はこのあたりも空き地に寄りあい,盆踊りもしていたそうである.それは途絶えて久しい.地域にある公園に,むしろを敷いて,食べ物や酒類を持ちより,交流を深める.夕方の風が秋の近いことを感じさせる.30人ほどが集まっていただろうか.今年からはじめたもので,試行錯誤はいろいろあるが,歌も飛び出し,今の時代にあわせた地域作りの一環である.
 そして24日は地蔵盆.この地域にただ一つあるお地蔵様である.地蔵盆は京都を中心とする関西の伝統行事.故郷の宇治では,二,三〇メートルに一つくらいの割で,まさに辻ごとに地蔵様があり,それぞれ大切にされてきていた.本来は23日,24日が地蔵盆地蔵盆が来ると夏休みももう少し,という季節感が小学生の頃にはあった.この季節感を今の子供らにももってほしいと思ってきた.私も地蔵様の世話人に入れてもらい,朝8時から準備して,夜8時から片付けたが確かに疲れる.次の世代に受けついでゆかないとすたれてしまう.お地蔵様を世話する人が高齢になり,終日の行事を2日続けるのはしんどい,ということでここでは24日だけが地蔵盆.それで23日を自治会でもらって納涼会とした次第.
 地縁・血縁とはよくいったもので,血縁は切っても切れないが,地縁は育ててゆかなければいけないものとして,先に言うのだ.当自治会の地域は,かつては,竹藪や畑が広がるなかに家々が点在していたが,近年は宅地開発がすすみ,人口の増加がいちじるしい,昔からの地の人や県道ができる前からいる人と,阪神淡路大地震の前後に移って来た人と,そして最近やってきた人とが,入り交じって住んでいる.それだけに,同じ地域に住む地縁を大切に,隣近所のつきあいを深め,年寄りや子供を皆で見守ってゆく.そんなところにしていきたいと思っている.阪神・淡路の震災を経験して,災害のときの隣近所の助けあいの大切さも身にしみている.
 沖縄では,このような地域に根ざし伝統行事が本当によく受けつがれている.京都では町衆によって伝統行事が受けつがれている.このような,地域の,地縁をもとにするまとまりが,為政者の理不尽な政治に対する抵抗の基盤ではないかと思う.民主主義というのは,このような地域の寄り合いが基礎である.そんなふうに考えてきたので,地元でもできるところから,地域で寄り合う機会をいろいろ作って育ててゆきたいと考えている.その後,2日ほどは疲れが出て,ようやく木曜日にその報告も兼ねた回覧板を作って手配し,一段落.
 そして今日,29日は,兵庫県弁護士会主催の「『安保法制関連法案』&『特定秘密保護法』反対 第2弾 兵庫パレード」が16時より兵庫県内4か所,神戸市・尼崎市姫路市豊岡市で同時開催された.その尼崎の集会とデモに参加してきた.2010年から小沢支援のデモなどで知りあい,いろいろ語りあえる友人の,生活の党と山本太郎となかまたちのHさんが

小生は先般お会いしてからも「安倍やめろ!戦争法案廃案!」のデモ、街宣に毎日のように参加しています。共産党だけでなく社民、新左翼系など日本の民主勢力の奥行の深さ層の厚さを実感しております。また各地に誕生していた九条の会が戦争法案で息を吹き込まれたように元気な活動をしています。
今まさに、元気になった民主勢力が安倍の右翼クーデターを許すか潰すかの重要な岐路に差し掛かっていると痛感しておる次第です。つきましては、来る8月29日16時から、阪神尼崎駅北側広場で1500人規模の集会・デモが企画されております。

と誘ってくれた.参加者は1500人を相当超えていると思われる.集会のあと,国道2号線に出て西に進み,ふたたび商店街に入って駅に戻るデモを行った.Hさんは70歳を超えて毎日どこかに出かけている.もとは業界新聞の記者で新聞労連の人である.背中に「生活の党と山本太郎となかまたち」のステッカを縫い付けてやっている.これまでならこのような集会はそれぞれ背後の党派ごとに別々にやっていたが,そして集会はその色が透けて見えるもののだったが,確かにそれは今はない.新しい雰囲気がある.それを感じて戻ってきた.彼は明日は扇町の3万人集会に行くそうだ.私は,30日は仕事もあるので出かけることはできないが,かわりに1日の京大西部講堂の集会の方にゆくつもりである.