アベ政治を許さない

昨日は神戸で授業.そのまえに「戦争法はゼッタイ廃止! 辺野古の海に基地はいらない! アベ政治を許さない市民デモKOBE」に参加してきた.神戸を中心に阪神間の35団体が実行委員会を作り,戦争法が通った19日に毎月デモをするという趣旨である.昔の同僚Y中さんに出会ってから,神戸での街宣やデモに参加している.この日も行く途中ばったりY中さんに出会い,しばし茶店へ.互いの知りあいの近況やそれぞれのやってることの話しなど尽きない.
Y中さんは少し早めに定年退職し,その後兵庫県西部のまさに限界集落NPOの一員として農業をやっている.今年の村祭りは,獅子舞はできたが太鼓をたたく人が90歳を超え,録音でしたとか,あの世代が亡くなればこの村の祭りも途絶えるかも知れないなど,いろいろ聞かせてもらった.農業に専念するつもりが,昔の知りあいから連絡が入り,6月からは木曜日は神戸に戻る生活になったとのこと.車での行き来もたいへんである.また年末にはゆっくり飲もうということで,会場の神戸市庁舎横の花時計前広場へ.
参加者はほとんどがわれわれの世代.その中で少し神戸大の学生が混じっている.神戸大学は,教員,職員,学生の有志が協働して戦争法に反対する行動をしてきた.その報告もある.また,22日の大阪知事,市長選挙についてのアピールもあった.辺野古の現地行動に取り組む若者からの訴えで集会を締め,デモにうつる.デモはフラワーロードから三宮のセンター街,元町商店街を進む.アーケードの下もゆく.こちらは授業もあり途中で抜けたのだが,総勢200人というところの行動であった.
こういう小さな取り組みが,全国で続いているのだろう.確かにこれは,世の中の基盤の部分を動かす大きな力となる.しかしそれでも,紆余曲折である.22日の大阪の選挙の帰趨も当面の方向にとっては大きな意味をもつ.昔ヒトラーがのし上がってきたとき,だれもあんな粗野で野蛮な人間に何が出来るかと思っていたが,しかし,ときの情勢と条件の中で,あのようにヒトラーが全権を握った.今日の基本的な情勢は,帝国アメリカの衰退と右翼民族主義の増大であり,その基礎にあるのが資本主義の不可避の終焉である.このもとで,現代的ファシズムが国家権力を握ろうとする.今の日本はファシズムとそれに対抗する人々との闘いの渦中である.
先日も書いたが,このファシズムとの闘いのなかで,人々が理念としての「民主主義,平和,基本的人権」を再発見する.それが「自由と民主主義を守ると」ということだ.すでにあったということではない.そしてこの理念を守って,これから,これが民主主義だというものを自分たちの手で作ってゆこうとしている.向こうが酷くなればなるほど,逆に「民主主義,平和,基本的人権」の意義が深くつかまれる.ここからはじめるしかない.これがファシズムに対抗する人々の基本情勢である.議会選挙の去就は結果であるが,その結果も一進一退を繰り返しながら進むしかない.歴史は到達すべき段階に必ず到達する.しかし道は曲がりくねっている.焦らず,あわてず,なすべきこと・できることを,やってゆこう.このように考えている次第である.