兵庫憲法集会

 昨日は「戦争させない、9条壊すな!5・3兵庫憲法集会」にいってきた.主催は「戦争させない、9条壊すな!5・3総がかり行動兵庫県実行委員会」である.尼崎で活動しているHさんが誘ってくれた.2時過ぎに三宮の東遊園地に行くと,舞台で中川五郎さんが歌っている.懐かしい名前である.昔,京都のベ平連にいた頃よく名前を聞いた.歌も聞いたような気がする.その声をもういちどここで聞くとは.
 昨年まで,5月3日の兵庫の集会は,社会党系と共産党系が別々にやっていた.今年初めて一緒にやった.参加者は11000人.神戸の集会としては多い.それで参院選にでる民進党共産党の候補があいさつしていた.それから前広島市長の秋葉忠利さんが話をした.それからSEALDs関西の関西学院の学生が話した.
 最後に安保関連法案に反対するママと有志の会@兵庫の人が話した.この日の話しのなかで,唯一心に響くものであった.二歳の子がいる.生まれたとき,子どもは母親を無条件に信頼している.それを実感した.大人を信頼する子どもを裏切ってはいけないと思った.しかし今世界では,どれだけ多くの子どもが戦火の下にあるか.そして昨年の集団的自衛権と戦争法の問題が起こった.いても立ってもいられなかった.このようなことを話した.集会が全体としては参院選に集約されてゆくなかで,この人の話しは,自分の生活と存在に深く根差したかたちで闘いを展開しようとしていることがわかった.
 自分自身の経験を踏まえて自分の言葉で語ろうとしていていた.その声は、民主主義とか立憲主義とかのいわば資本主義の発展期の理念を述べながら,その実,それを遙かに超えて,資本主義の人間性否定を告発するものであった.この数百年、奴隷貿易から植民地支配,そして産業革命から近代資本主義の時代,さらにその資本の論理が徹底された新自由主義の時代,人間は経済のための資源とされてきた.1970年代,日本の教育分野でも「人的資源の開発」という思想が浸透し,それは日本社会そのものの支配的な思想となった.しかしでは資本主義はさらにこのまま展開しうるのか.そうではない.地球は有限である.資本主義は拡大し続けなければ存在しえない.よってそれは終焉を迎えざるを得ない.
 今日,唯一拡大しうる分野は兵器産業である.強欲資本主義は戦争で儲けるしかなく,紛争をあおりファシズムに走る.現代世界の紛争はこのファシズムが作りだしたものである.しかし軍需産業以外にもはや拡大する分野をもたないこと自体が,資本主義の終焉を指し示している.ママの会は昨年9月14日、国会前スピーチで「武器輸出を国家戦略として進めるべきだと経団連は提言しているが、そんな血みどろのやり方でしか経済を持ちこたえさせられないのであれば、そんな経済はいらない!」と発言している.この言葉は,資本が人間を資源として使う段階から人間が経済を方法とする段階への転換の内実を語っている.
 参院選が目前の課題となり,運動が選挙に集約されつつある.しかし選挙は一つの方法であって目的ではない.大切なことは,資本主義の終焉期に現れるこのファシズムに,こちらの人間原理で対抗し,それに代わる世のあり方を模索することだ.崩壊する帝国はファシズムをまき散らし,世界に惨禍をもたらす.やつらを通すな!
 この四月,仕事と地元の諸々でいろいろ忙しく,あまり外に出られなかった.五月もそうなる.久々に出て,いろいろ考えさせられた次第である.いちど家に戻り,それから授業に出かけた.