残暑の候に

もう二十日である.この二,三日少しだけ気温が下がる.夕方はツクツクホウシの声が聞こえるようになった.夏の終わりの鳴き声である.それでも残暑はきびしい.この数日のことを自分のために記しておく.
十六日は大文字の送り火の日.京都には行けなかったが,送り火にはなぜか心落ちつく.この日は結局一日,円順列の諸々にいろいろ手を入れ,ようやく十七日に一通りできる.明示的な円順列の個数を与えるこの等式は,意味の深い式である.七月の三十一日に今年の慶応大の問題を手に入れ,それを前から置いてあった課題と結びつけて,この等式を示した.八月の前半,数学の方はこればかりをやっていた.
十七日は,政府が辺野古に土砂の投入をするとしていた日であった.故翁長知事の承認取り消し表明とそして逝去となり,取りあえず延期であるが,これは向こうの選挙対策でしかない.こちらの意志を明確にする.夕方は「土砂の投入やめろ!」という大阪行動があった.しかし,こちらはこの日の夕方は地元の夏祭りの反省会があるので行けない.それで,午後二時からの近畿中部防衛局前(大阪合同庁舎第2号館)での「土砂の投入やめろ!抗議行動」に参加してきた.写真である.主催は,沖縄とつながる京都の会,米軍Xバンドレーダー基地反対・京都連絡会,若狭の原発を考える会等々,全国でのそれぞれの連携した行動であった.およそ五十人は来ていただろうか.
十八日は,朝から年に一度,仕事づくりの活動をしている知りあいのところから,庭の手入れに来てもらう.四人来てくれた.もう一軒おいた隣の庭とうちと二軒をやってもらった.それから午後は孫の誕生会をかねて,彼らの住んでいる所に集まる.
そして十九日は,朝の7時半から公園の掃除.この日の夕方は,大阪での梅田解放区だが,こちらは夕方四時から自治会の防災訓練である.消防車もやってきて五時過ぎまでやり,それから夕涼み会.フラダンスや紙芝居を楽しみながら懇親会をした.三年前からやっている.三年前の様子:暑い晩夏に.ここにもあるが,金曜は地蔵盆が朝から晩まである.これが地域に座っているわが日常である.
アベ政権は,反対派も含めた国民国家の政権という立憲主義政府という立て前すらも棄てている.様々の情報技術を駆使して自らの支持層をまとめ,議会選挙で多数を占める.資本主義が終焉にむかうなかで,彼らには立憲主義の余裕がない.これ以外に道がないのだ.そして,露骨に差別発言や差別行動そのものをとってアベ支持層だけを固める.選挙技術,情報操作にはたけている.まさに差別国家である.日本の歴史は、この差別国家そのものに対する人民による糾弾闘争が必要な段階に至っている.
突破口を開かねばならない.このときに一人一人はどうするのか.それを考える.