秋の気配

nankai2010-09-17

 ようやくに朝夕秋の気配である.次の,古今集第六十九番,藤原敏行の歌.中学で習ったとき以来,たいへん好きだ.
 秋立つ日、よめる  秋きぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる
 この歌を2007年は8月27日に,ここに書いている.もっとも,藤原敏行自身は秋を感じて読んだのではないらしい.しかしこちらはずっと秋を感じたときに思い出してきた.2007年は8月の末頃に秋を感じたのだ.今年はやはり三週間は夏が長かった.
 秋の気配を感じると,夏の間外に向かっていた感覚がうちに向き始める.そしていろいろ考えはじめる.昔からそんな風であった.この秋は,射影幾何についてまとめきりたい.
写真はジョロウグモ.秋が深まるとともにこのクモが太りはじめる.これはメス.オスは小さくてクモの巣の隅の方にいる.軒下に巣を作っていた.
 さてさて,新内閣である.412人の内閣を作るといって3日後に自分たちのセクトだけの内閣を作るような人間はやはり政治に思想がなく腐っている.反対派を取り込むだけの余裕がもはやない.それだけアメリカも焦っているということだ.問題をはっきりさせ,人間に態度表明を迫るこのような段階が,歴史には必要なのだ.それにしても日本現代史がこのようにして段階をおって煮詰まってゆくのは,たいへんおもしろく,またたいへん厳粛である.