生きるとは行動すること II

 瀬戸内寂聴さんが亡くなられた.実際にお姿をみたのは,2011年の秋であった.「生きるとは行動すること」に書いているように,京都の円山音楽堂でお話をされたときである.長いあいだいろいろ読ませていただきありがとうございます.合掌.
 東京新聞この記事も読み応えがある.

 日本はこの10年,瀬戸内さんの願いとは真逆の酷い世が続いてきた.そして今,政治面でも経済面でもかぎりない没落の過程にある.遠くないうちに東アジアでもいろんな諸表で没落したところとなるだろう.
 それでも行動し,声をあげ続けねばならない.瀬戸内さんの言うように,まさに生きるとは行動することなのだ.

 昨日の夕方は総選挙が終わってから二週間目の梅田解放区だった.いつものように二〇人ほどが東梅田に集まり,声をあげる.写真のように久しぶりに反戦タイガースさんも来られた.この日の報告は園さんのところにも,たたかうあるみさんのところにもある.

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 さて,今回の選挙では,維新が議席を大きくのばし,れいわは山本太郎や大石あき子らで三議席を得た.自民党から共産党まで議席を維新に奪われ減らし,野党の共闘にも光の見えないなかで,このれいわの闘いは,今回の選挙でただ一つの光であった.

 議会における対決の構図が変わってきた.
 戦後七十年,日本の経済が拡大してゆく段階では自民党社会党共産党が,いわゆる保守と革新として対峙した.自民党政治が行きづまり,それに対して,従来からの社会党共産党もまた,働くものの支持を得られない.その背景には,日本の経済拡大がゆきづまってきたことがあった.

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 小泉内閣のときにさまざまの規制を撤廃し,新自由主義という野放図な資本主義に舵をきったが,それもまたゆきづまる.そして今日,岸田は,新自由主義の次の資本主義をいうが,前にも書いたようにそんな資本主義はない.
 もうこれ以上の経済拡大の余地がない段階での今回の選挙では,維新とれいわが対峙する.
 れいわ・山本太郎代表 維新のお膝元で宣戦布告「積極的に斬り合いをしなければいけない」にあるように,山本太郎自身がそれを言っている.
 新自由主義の段階における維新とれいわの対峙は,日本だけではなく,フランスやスペインなどでもあるようだ.維新とは何か,れいわとは何か,これは今日の普遍的な問題かも知れない.

 先日の金曜日には杉村さんと大阪北の十三で食事をした.そして,彼が訳して出たばかりの『資本はすべての人間を嫌悪する』を受けとった.昨日の昼間はこの本に集中していた.まだ読み終えられていないが,深く考えさせられる本だ.
 後書き部分の原稿は前に頂いて読んでいたので「日本では,このように現代を思想的に深くとらえた本がないね」と言ったら,「お前が書け」と言われた.確かに他人ごとではない.私自身の課題である.

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