戦争反対!

 昨夕は定例の梅田解放区に参加してきた.

  選挙に行こう!
  戦争反対!
  自公を落とそう!
  維新はいらない!

 道ゆく人らに訴える.どれだけの若者が選挙にゆくのか.それを思いながら呼びかける.この日のことは.たたかうあるみさんツイッターに詳しく書いてくれている.

 安倍が7月8日に暗殺された.その闇は深い.報道をあわせると,暗殺犯は以下のように供述している.
「母親が統一教会にのめり込み、多額の寄付をするなどして家庭生活がめちゃくちゃになった」
統一教会に恨みがあり、元総理がこの団体と近しい関係にあると思い狙った」
 そういうことなのだ.これについてはYahooニュースに詳しい.
 また私は,たたかうあるみさんのブログの見解に同意する.田中龍作さんの見解「安倍元首相暗殺の次に来るもの」にも同意する.小出裕章さんの意見にも同意する.

 道の向こうでは参院選全国比例候補である社民党大椿ゆうこさんが街宣をはじめる.梅田解放区側は音量を絞り,協力する.大椿さんが語ることは,梅田解放区が語ってきたこととほぼ同じである.
 大椿さんはある私立大学の職員のとき,有期雇用を理由とした雇い止め解雇にあい,これと闘ってきた人だ.
 豊中の木村議員が応援演説する.森友問題を最初に取りあげた人だ.木村議員が取りあげなければ,森友学園に係わる安倍の不正は表に出なかった.
 明治維新以来の日本の近代は根なし草近代であった.根なし草近代の成れの果てがアベ政治であり,アベ政治の成れの果てが今回の安倍暗殺である.

 それに対して,この半世紀の私の問題意識の基底にあるのは,「根のある変革」ということである.梅田解放区のような行動に参加しているのも,日々の暮らしに根づいた行動を出来るところからやろうとする自分自身の問題意識が底にある.
 日本の近代左翼の闘いはやはり根なし草であった.かつての自分の活動を振り返り,そう考える.そして青空学園日本語科の玄関に「根なし草近代の諸相をとらえいかに生きるかを考え書きおく」と書いているように,青空学園をこの課題を考える場としてきた.もうはじめて20年以上になる.
 そのうえに,ひとつは『神道新論』として書物にまとめることが出来た.これは,いま読みなおせば未熟でもっと掘り下げるべきところや改定すべきところがいくつもある.が,この書で心がけたことは,近代日本の「学問」のように対象を外から見るのではなく,内からの言葉,内からの語りを実践することであった.それがまた本来の学問である.
 数学分野では雑誌『数学文化』の依頼を受けて,この夏に出る38号に一文を寄稿した.いずれ雑誌が出たら詳しく書きたい.
 これらをふまえ,そのうえで,この二著をさらに統合し,近代日本の経験を人類の歴史的な教訓に深め,つぎの段階を拓き耕さねばならない.私はその先にあることを緑の社会主義といってきたが,この言葉の吟味を含めて,すべてはこれからである.

選挙に行って自公維落とそう!

 昨夕は定例の梅田解放区であった.小雨も上がり,十数人ほどの人らが集まって声をあげる.たかうあるみさんのところにもこの日の写真がある.

 参院選だ! 選挙に行って、自公維落とそう!
 戦争反対! 軍拡を進める岸田政権を倒そう!
 維新の首長,吉村府知事や松井市長は,大阪府民の署名が20万筆以上も集まったにもかかわらず,カジノの是非を住民投票する必要はない! と言っている.これは民主主義の破壊だ!

と東梅田界隈を通る人らに呼びかける.かつては大阪市の各区ごとにあった保健所が今や一つしかない.多くの職員を橋下以降の維新が削減した.その他にも,実に多くのまさに新自由主義政策をこの大阪で積みかさねてきたのが維新である.その仕上げにカジノ場を作ろうとしている.
 こんどの選挙で維新に大きな打撃を与えなければならない.そのことを呼びかける.

 いま世界は本当に大きな変わり目にあることをつくづくと感じる.「感じる」と書くのは,まだその意味を自らの言葉でつかみ得ていないからである.しかし,次のことははっきりしている.第二次大戦後の世界は,まず中国革命とその後の東西冷戦の時代があり,それを経てソ連が崩壊し中国が資本主義国になって経済発展を第一として大小の国々が共存する時代に移り,さらにアメリカのアフガン侵略などを始まりとして国家が宣戦の布告もなく他国を侵略するということが続く時代へと変わってきた.ロシアのウクライナ侵略もまさにこの時代のことである.

 だがさらに歴史は前にいっている.かつて第三世界とか発展途上国とか言われた世界が,いま経済においても先進国群より大きくなっている.
 BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)の第14回首脳会談が中国主催で6月23日に開かれた.中国の招待でアルゼンチンも参加したが,バングラデシュインドネシア,メキシコ,トルコが加盟を望んでいるという.
 この会議の直前,​ロシアのプーチン大統領は貿易相手をBRICS諸国へ積極的に切り替えると宣言​しているが,BRICSに加盟している5カ国で全人口の40%以上を占め,しかも経済がますます拡大する国々である.
 これはロシアとの貿易で経済を維持してきたEUにとっては痛手である.また,ロシアは中国をはじめとするアジア諸国との貿易を盛んにしていく方針だが,その中に日本は含まれていない.

 このなかで,日本は大きく没落してゆく.近代の日本は,その歴史的な役割を終えたと言うべきなのかも知れない.
  そのうえで,この近代日本を,非西洋にあって最初に資本主義化した歴史の経験として,まさに総括しなければならない.それがこの地に生きるものの責任だと考えている.
 『神道新論』は,そのような問題意識ももって書いたものであり,それを受けて『分水嶺にある近代日本』を著したのだが,それ以降はまだできていない.何度も同じことを書いているが,自分自身の確認のためでもある.少しずつでも前に進みたい.
 第二,第四土曜に定例の梅田解放区が行われる.街頭に立ち,道行く人を見ながら,少しは自分の考えも深めることができる.こうしてその報告を書けることは,ほんとうにありがたい.

同窓会等々

追伸18日:17日には旧友の前田さんと神戸三宮で会い,会食した.彼が灘高を中退し,釜ヶ崎で活動していた頃,雑誌『月刊たいまつ』の読者会で知りあい,その後一時期,政治活動を一緒にした人だ.
 関東に住んでいるが,神戸芸術工科大学でも教えていて,月に何回かは神戸に来る.
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 6月の11日と12日は後に思い出しても印象深く思うであろう2日となった.同窓会のことなど書いておくと,あとで読みかえして,「ああ,あのとき参加した.あれからもうこんなに時間が経ったのか」と(生きていれば)思いおこす一助になる.そこで今回のことも自分の記録として書いておく.

 昨日11日の昼は,かつての理学部教養課程のクラスS1の同窓会(S1会)であった.数年ぶりに開かれた.京大理学部は第二外国語でクラス分けしていた.S1(理学部1組)はフランス語のクラスだった.
 その同窓会を祇園の老舗の料理店 ちもと に15人集まっておこなった.50人ほどのクラスで,それから半世紀以上経って15人集まるのだからよく集まった.
 それぞれの今を語り,京料理を味わってきた.これからは毎年集ろうやということになった.ずっと世話をしてくれていたTさんが3年ほど前に亡くなり,それはさみしいが,あとを継いで世話してくれる人がいてよかった.
 帰り道は,高校から京大へと一緒だったYさんといろいろ話しながら途中まで一緒した.彼は大学に入って間もなく探検部にはいり,南米パタゴニアに探検に行った.帰りの船のなかで京大闘争のさまざまの報道に接し,日本に戻ってからは院試粉砕闘争,それからは関西空港建設反対闘争に没頭,そのまま退学し,その後 日本労働党 に入党して,今も京都府委員会の長である.
 またゆっくり話をしようということにして,この日は阪急電車の最寄り駅で別れた.

 それから定例の梅田解放区に参加するため大阪に向かった.小雨なので,JR鉄橋の下に集まる.こちらはいつものように横断幕をもって,順に話すのを聴く.梅田解放区にも
 戦争反対、カジノ反対のみならず、選挙に行こう、自公を倒そう、差別反対、組合つくろう…なんでもOKだよ!
と書いているが,その通りである.それぞれが思いの丈を話す.こういう場があることは本当に大切なことだ.こういう場を作ってきた若い人らに感謝する.

 そして今日12日の日曜日,朝の7時半から地域にある神園公園の掃除に参加した.30人以上の地域の人らが公園の清掃に集まってくる.私にとってはいい運動でもあり,地域の人らとの交流でもあり,ありがたいことだと思っている.
 家に戻って一休みして,それからJRの京都駅にむけて出かける.私の母校の中学の同窓会,京都教育大附属桃山中学の同総会に参加してきた.全部で140人くらい集まり,同学年の人は9人だった.総会の後の懇親会では,美味しい白ワインをいただきながら,懐かしい人らとしばしの語らいをしてきた.
 このように,思い出とともにある集まりはほんとうに貴重である.

 さて,ロシアがウクライナを侵略して三ヶ月になろうとしている.ここにまで至る歴史は長く,そしてまた入り組んでいる.その上で,ロシアによるウクライナへの侵略そのものは,やはり現代のファシズムではないだろうか.この戦争によってイスラエルアメリカの軍需産業の株価は大きく値上がりしている.双方が闘わざるを得ないようにしむけたのは,国際的な軍需産業ではないか.
 戦争の長期化で国際的に食料危機が顕在化している.特に深刻なのは,中東や北アフリカである.そしてその中東のイエメンでは,暫定政府とフーシ派の戦闘が今も続いている.強欲な資本主義がこれらの戦争を引き起こし裏から操っている.
 日本では,自民党改憲策動も新たな動きが出てきている.日本の軍備を増大させるのは,軍需産業の仕業そのものである.日本の政府はその上で踊っている.野党も報道機関もそのことを公に指摘することはない.すべてが組み込まれているのだ.
 ウクライナ侵略もコロナ渦も,地球を覆いつくした現代の新自由主義資本主義がもたらしたものである.有限な地球の上で限りない経済成長を追求するかぎり,もはや戦争しか大きな儲けは生み出せない.したがってこれからも戦争は起こる.そしてまた疫病の蔓延も起こる.

 このまま資本主義の果てにファシズムが世界をおおうのか,資本主義を転換し緑の社会主義に向かうのか.いまわれわれはその分岐を生きている.日銀の黒田総裁が「家計が値上げを受けて入れている」と発言し大きな批判を受けている.彼はまさに戦争で大儲けをする側にいる.

 追伸:今日13日,鹿砦社から『季節』(2022夏号)が献本として贈られてきた.松岡さんありがとうございます.じっくりと読ませていただきます.

 懐かしい人らとの再会の同窓会と,ロシアによるウクライナ侵略,いまこのとき,これが同時にあるのだということを、帰り道で思わざるをえなかった.
 国家の枠組みを乗り越える智慧は人間にあるのだろうか.この問いの意味自体を深く掘り下げなければならない.

 私は,近代日本を根なし草近代ととらえ,日本語と数学の分野でその意味を考えてきた.そして,それをふまえて,根のあるものを生みだしてゆくためになしうることをしようと,青空学園の場での営みを続けてきた.
 そのうえに,ひとつは『神道新論』として書物にまとめることが出来た.数学分野ではこの夏に出る雑誌『数学文化』の38号に依頼を受けて一文を寄稿した.
 これらをふまえ,そのうえで,この二著をさらに統合し,近代日本の経験を人類の歴史的な教訓に深め,つぎの段階を拓かねばならない.私はそれを緑の社会主義といってきたが,中味は総てこれからである.
 この話を,前田さんともした.

 地域での日々の町内活動も,また生業としての高校生に数学を教える仕事も大切にしながら,同時に,今を生きるものとして,世界の今を切実につかみ,その意味を考え,なしうる行動をとることを,まさに命あるかぎり続けたい.

戦争反対!!

 昨夕は定例の梅田解放区であった.皆で声をあわせる。
 ロシアのウクライナ侵略を受けて,梅田の街頭に立ち道ゆく人に戦争反対を呼びかける意味が,深まってきた.横断幕をもちながら,道ゆく人びとを見ていて,それを思う.それぞれに思うことごとを語り,私も少し喋ってきた.

 大阪にカジノ場を作ることが維新によって画策されている.これに対して住民投票を求める署名が18万筆集まった.住民投票をするためには条例が必要で,有権者の1/50の署名が要る.それは14万であるが無効署名もありうるので,18万を目標にして取り組まれてきた.それが集まった.大阪都構想も否決された.維新政治は少しずつ追い込められている.その報告もあった.

 ロシアのウクライナ侵略によって,本当に難しい段階に入った.ロシアのウクライナ侵略は,ロシアが資本主義となり中国もまた資本主義となって以降の地政学的領土と支配権争いの行きついた果てである.
 そして,この戦争もまた,国際的な軍需産業が裏で操っている.膨大な兵器が使われ,膨大な利益が軍需産業にもたらされる.
 5月24日,米国務省は「米国のウクライナへの安全保障協力」と題した文書を発表したが,ウクライナに武器援助を約束した米国の安全保障支援は,以下の通りである.

1400台を超えるスティンガー対空システム/5500以上のジャベリン対人兵器システム/1万4000以上のその他の対人兵器システム/700台以上のスイッチブレード戦術無人航空機システム/155mm榴弾砲90門と155mm砲弾18万4000発/155mm榴弾砲を牽引する戦術車72台/Mi-17ヘリコプター16機/数百台の装甲高機動多用途車輪型車両/M113 装甲兵員輸送車 200台/7000以上の小火器/5000万発以上の弾薬/7万5000セットの防護服とヘルメット/レーザー誘導ロケットシステム/プーマ無人航空機システム/フェニックス・ゴースト戦術無人航空機システム/無人沿岸防衛船/対砲兵レーダー17基/対迫撃砲レーダー4基/航空監視レーダー2基/M18A1 クレイモア対人弾/障害物除去のためのC-4爆薬と解体装置/戦術的安全通信システム/暗視装置、熱画像システム、光学機器、レーザー距離計/商業衛星画像サービス/爆発物処理用防護具/化学・生物・放射性・核防護具/応急処置キットを含む医療用品/電子妨害装置/現場設備と予備部品

 これを総て軍需産業が受注するのである.この戦争の意味をこれほど明らかにするものはない.戦争を煽り,そして大儲けをする.それがウクライナ侵略の中味である.
 これに乗じて,岸田政府は日本の軍事費を大きく増やそうとしている.日本政府を操っているのも国際的な軍需産業である.
 それでは,冷戦以降のこの戦争をやめさせるために,それぞれ何をすべきなのか.それを考え行動するときである.

 今年は,沖縄の日本復帰から半世紀である.考えてみれば,1972年は,私が京都ベ平連の毎週のデモに参加した年である.あのとき,まさに5月15日,鴨川べりに集合して京都市内をデモし,京都市役所前広場で集会をもったのを今も覚えている.欺瞞的な「返還」に抗議・抵抗するデモであった.教員時代以外は,ほとんど毎週デモをしてきたこの半世紀である.
 私は,1966年大学入学である.学部時代は68年から69年の時代であり,全学ストが続いたときであった.4回生のとき,数学をやるつもりで大学に来たのにまだ何もやっていないと思い,修士過程の2年間は勉強と研究に没頭した.そして分かった.自分は数学は好きだが,数学者ではない.
 それでこれからどうするか,1972年,73年とそれを模索した.数学の教員になってそれを仕事にしよう,そう考えていたとき,一緒にデモをしていた人から兵庫県で教員を探している高校があると教えられた.その縁で73年の秋から臨採で高校教員をはじめたのだ.教員免許が取れた74年から13年間,正規採用で教員をした.12年働いたら奨学金返済が免除になるので,13年で教員を辞めた.そんなことを思い出した.  

 さて,昨日も街頭に立って考えた.日本国憲法前文と第九条によって,自衛隊在日米軍の存在は憲法違反である.ここに立ちかえろう.戦争で問題は一切解決しない.戦争をやめ話しあえ.これが日本の憲法の意味であり,ロシアによるウクライナ侵略の今こそ,その意味はかぎりなく大きい.
 第九条は,戦争放棄,そして他国の戦争における非武装中立を定める.
 しかし日本政府はもとより多くの野党も,確信もってこれを言うことができていない.それどころか,日本政府は,この機に軍備の拡大を意図している.そして,日本政府の軍拡の道は,その果てに,ますます日本の没落を早める.いちどは通らねばならないのかも知れないが,それでは犠牲が大き過ぎる.
 非武装中立はまさに 戦争するな! 話しあえ! そのものである.非武装中立を世界に向けて宣言し,それでも戦争を仕掛けるものがいたら,それがいかに誤ったことかを解き明かす.この原点が打ち立った政治を取り戻そう.それを訴えた.
  いまこそここに立ちかえろう.

戦争するな,話しあえ!

 昨夕は定例の梅田解放区であった.いつものように横断幕を持つのを手伝う.こちらも喋れということで,時間をかけて東梅田を通り過ぎる人々に語りかけた.
 ロシアとウクライナ,その間には長い複雑な歴史がある.それでも,一つ一つの問題を話しあって解決せよ.戦争するな.戦争は問題を解決しない.より複雑にするだけだ.国際的な軍需産業が戦争を裏で煽っている.それに気づけ.そして戦争をやめよ.

 それにしても,この梅田解放区に参加して4年以上経つが,今になってロシアとウクライナの戦争が起こるなどということは,4年前にはまったく考えられないことだった.あらためて中東をはじめ各地で今も現実に戦争が続いていることを確認する.

 だが,戦争は何も解決することはできない.ロシアとウクライナの長い歴史とさまざまの矛楯と対立は,戦争ではなく話しあうことでしか,解決に向けて前に進むことは出来ない.
 ロシアによるウクライナ侵略は,かつて日本が中国を侵略し,そこに傀儡国家を作ったことと同じである.ウクライナ侵略に反対するならば,われわれはまずこの日本の歴史をおさえ,それに対してどのように自己の生を対置するのかを考えなければならない.
 ロシアへの経済制裁は,日本・アメリカ・欧州にはね返る.とくに資源を輸入に頼る日本は,これから大きく没落してゆく.それは避けられない.

 また今年は,沖縄が日本に復帰して50年である.辺野古現地で闘いを続けている人が,この50年がどのような年月であったのか,そして今沖縄はわれわれに何を問いかけているのかを語る.沖縄の問いかけを切実に受けとめることが出来るのか,それが問われている.
 近代日本は,独立国であった琉球を併合し,沖縄戦では捨て石にし,そして戦後はアメリカに差し出した.これが,アメリカに隷属してきた戦後の日本政治である.ここまでの隷属は植民地に等しい.そしてそれが見えないように仕向けられている.

 さて,最近『ウトロ ここで生き、ここで死ぬ』を読む.ウトロは京都府宇治市の一部である.宇治は私の故郷だ.23歳まで宇治で暮らした.旧宇治町宇治市になったのは1956年,4歳の時なのだが,バスの中で宇治が市になるのだということを大人が言っていたのをなぜか覚えている.その宇治のウトロでの放火事件が報じられた.
 情報技術ばかりがすすんで,しかし,差別の根源は何も変わっていないという状況で,このような事件はこれからも出現する.

 半世紀前,教員になって最初に担任したクラスに,日本の植民地支配は終わったとはいえ,朝鮮では食べて行けず日本に渡ってきた人のその孫という生徒がいた.日本通名でゆく生徒が多いなかで,彼女ははじめから本名で通していた.家庭訪問し,日本で生まれている母親からいろいろ聞かせてもらった.その内容はもう覚えていない.が,いま彼女はどうしているのだろうかと思う.

 このような日本と世界に生きて,もう少し考えを深める.そして,近代日本の没落の内実と,その意味を書き置きたい.せめてもそれが自分に出来ることだ.

ウクライナ侵略糾弾!

 昨日7日は,昼に神戸三宮で古くからの知りあいの前田さんと会った.こちらは彼のブログなども読んでおり,また最近,彼が編集していた雑誌を数冊送ってくれたりしていたが,実際に顔をあわせるのは30数年ぶりである.彼とは昔,大阪の同じところで活動していた者どうしである.
 彼が講師をしている大学の授業などで神戸にはよく来ることは知っていた.彼の方から会えないかと言ってきてくれたのだ.たがいの近況などを話し,こちらが準備しているある数学雑誌の原稿の話しなどもした.時間はすぐに過ぎた.再会を約して別れた.その後連絡取り合い6月中頃にまた会うことになった.今度は一献かたむけようということになった.

 彼と別れて,三宮東遊園地でおこなわれた「ロシアはウクライナ侵略やめよ 市民デモ」の集会会場に向かった.主催は,<こわすな憲法! いのちとくらし! 市民デモHYOGO>と<憲法共同センター>であった.
 およそ180人が集まる.

 ロシアがウクライナを侵略して二ヶ月が過ぎた.ポーランドとロシアとマケドニアに接するウクライナのここに至る歴史はながく,入り組んでいる.ウクライナ,ロシアの一方のみが悪いと言うことはできない.その上でしかし,今回のウクライナ侵略は現代のファシズムそのものである.

 梅田解放区で出会う数人とも顔をあわせた.尼崎の反戦タイガースさんも,また私の地元のKさんとも一緒になった.いつも梅田ではラッパで音楽をやってくれるだいさんも,それを持ってきていた.
 集会のあと,三宮商店街へ向けてデモをした.

 それからいったん自宅に戻り,一休みして茨木市の福祉文化会館まででむいた.人民新聞の「新体制説明会」があったので参加した.
 人民新聞は若い人らで担ってゆく.その新体制の紹介と,この間の大阪での維新政治との闘いの報告などがあった.これからの時代こそ,人民新聞のような立場の明確な報道機関が大切だ.
 この間,人民新聞ではいろいろと難しい問題が現れた.これに人として誠実に正面から向きあっていってほしい.
 そしてまさに人民の立場からの報道を深めていってほしい.

 ウクライナ侵略もコロナ渦も,地球を覆いつくした現代の新自由主義資本主義がもたらしたものである.経済拡大を追求するかぎり,これからも戦争は起こり,疫病の蔓延も起こる.

 それにしてもこのような時代に実際に出会うことになるとは思ってもみなかった.
 このまま資本主義の果てにファシズムが世界をおおうのか,資本主義を転換し緑の社会主義に向かうのか.いまわれわれはその分岐を生きているのだ.

 ウクライナ侵略糾弾! 
 戦争反対! 
 資本主義転換! 
 緑の社会主義へ!

殺すな! 殺されるな!

 昨夜は定例の梅田解放区だった.いつものように,横断幕を持つのを手伝う.十数人が集まり,声をあわせる.

 殺すな! 殺されるな!
 ロシアはウクライナから手を引け!
 NATOアメリカ,介入するな!

 武器を送るな!
 基地はいらない!
 軍事費をコロナ対策に,暮らしにまわせ!

 ロシアのウクライナ侵略が今このときも続いている.もとより,社会主義圏が崩壊して以降も,中東や西南アジアで,いくつもの紛争が続いてきた.今も続いている.
 その上で,このロシアによるウクライナ侵略の戦争によって,歴史は新しい段階に入ったことはまちがいない.その内容,その意味についてはまだ十分には考えられていないが.

 参加したある人が語る.
 ー 南京大虐殺は最初から外国に伝えられていた.しかし,日本は報道が統制されていて伝えられなかった.今のロシアも,昔の大日本帝国と同じ.侵略戦争をやれば,かならずそこでは残虐行為がある.

 ウクライナでの戦争犯罪が,過去の日本軍の残虐行為とあわせて語られる.日本軍国主義のことを横に置いたままウクライナが語られることが多いが.われわれの過去をふまえて道ゆく人に語りかける.残虐行為は戦争の必然である.

 そしてまた,大阪における維新政治について道ゆく人らに呼びかける.

 バクチ,カジノ… だれかの不幸で経済成長、そんなのあり得ない!
 カジノをするより,病院つくれ,保健所つくれ!
 吉村,松井,カジノをヤメロ!

 この日本では,ロシアのウクライナ侵略をショックドクトリンにして,憲法を改悪し「戦争する国」にしてゆこうとする策動が進んでいる.岸田政府は「敵基地攻撃能力の保有」を公然と言いはじめている.
 自衛隊では「反戦デモ」を「敵」と見なす文書を作成しその内容を幹部が市民に講演していたことが,暴露された.
 集会やデモは,憲法が保障する思想信条にもとづく表現の自由,である.これを「敵」とすることは,反戦デモを弾圧するプーチン政権と同じである.それが自衛隊の本性である.

 まさに,ある人が語っていたように,ロシアのウクライナ侵略と,日本における憲法改悪策動や維新政治は根が同じである.
 ロシアや日本のこのような政治の背後にあるのは,国際的な軍需産業である.それは戦争によって利潤を生みだす産業なのだ.

 こうして,ロシアがはじめた戦争は,多くのことを白日の下にさらす.
 問題は,これに対抗する人民の闘いをどのように生みだしてゆくのか,である.ロシア国内における反戦運動は意義深い.これと連帯して何が出来るのか.

 もう4年以上欠かさず参加してきたこの梅田での街頭行動は,その第一歩である.
 昨日ビラをもらったが,5月7日の午後2時半から,神戸三宮東遊園地で「ロシアはウクライナ侵略をやめよ 市民デモ」の集会とデモがある.時間がとれれば参加するつもりだ.