国葬反対! 戦争反対!

 昨夕は第二土曜日で定例の梅田解放区であった.
 十数人が集まり声をあげる.発言した人はみな,10年近くのあいだにこれだけ格差を拡大し,最低賃金の国際的な順位を大きく落としてきたアベ政治を振り返る.実際,アベが政権の座にあった時代こそ,日本が大きく没落をはじめたときなのだ.
 だから,国葬などまったくとんでもないと,道ゆく人らに呼びかける.アベの国葬に利害が一致するものと,相反するものと,この日本は大きく二つに割れている. 
 そしてさらに言えば,アベの国葬に反対することこそが,戦争に反対することなのだ.

 アベ政治の果ての安倍暗殺によって,戦後の日本の政治の闇が白日の下にさらされた.統一教会自民党の癒着など,そうだったのかという声が大きくなりつつある.
 この声が,どこまで近代日本の政治を動かし,これを変えてゆくのか,それは今はまだ分からない.
 私自身は,近代日本を問うための基礎作業を青空学園で積みあげてきた.

 そのうえで,実際にこの政治を変えてゆくのは一人一人の行動だ.自分自身が出来る行動はしよう,その思いをもって梅田解放区に参加している.もう四年以上欠かさずに参加してきた.

 さて,『分水嶺にある近代日本』で,次のように書いた.

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 かつて造船疑獄があった。戦後日本の計画造船における利子軽減のための「外航船建造利子補給法」制定をめぐる贈収賄事件である。一九五四年一月に強制捜査が開始された。吉田茂法務大臣に対し指揮権発動を命じ、検察の捜査を止めさせようとした。これが大きく報道される。結局、政界・財界・官僚の被疑者多数が逮捕され、吉田茂内閣が倒れる発端となった。ここにはそれでも近代国家の基本原理である法治主義が働いていた。
 それに比して、安倍首相の収賄は首相そのものの犯罪であり、はるかに悪質で規模も大きい。また、公文書を偽造し、国家の基本的な統計も改ざん操作してきた安倍政府とその官僚の悪事は、造船疑獄の比ではない。しかし捜査すらなされない。
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 そしてその安倍は暗殺された.安倍と統一教会の事実としての密接な繋がりのゆえに,統一教会への怒りを安倍に向けたのだ.
 その安倍を国葬にすることが閣議で決定された.司法によって裁かれねばならなかった人間を国葬にするというのである.
 日本政府がいかに人民から乖離し,新自由主義資本主義とアメリカに隷属しているかをふたたび明確にした.
  これからの日本の没落の意味とそこからの途について,考えてゆく.

 もういちど言う.国葬反対!
 そして,国葬に反対することこそが,戦争に反対することなのだ.

夏まつり

 8月6日は地元の夏まつりであった.甲陽園小学校の運動場を会場に,5時からはじまり8時頃まで,近隣の二つの高校の吹奏楽と邦楽演奏,そしてフラダンスなどを交え,6時半からの盆踊りを中心におこなわれた.写真はその盆踊り.
 正面の人が中に入った人形はみやたん,西宮市キャラクター,ということである.

 社会福祉協議会やスポーツクラブなど地域の団体による屋台も出て,ほんとうに多くの人が集まってきていた.こちらは,盆踊りのあいだ参加してきた.
 私がはじめて参加したのは「夏祭り」に書いたように2013年ではないかと思う.2016年の夏祭りのことは「夏の盛りに」に書いている.
 こうして記録しておくことは,自分自身が振りかえるうえで役に立つ.
 2018年は台風で,2019年,2020年,2021年はコロナ禍で,それぞれ夏まつりができなかったので,5年ぶりであった.
 そして,今日日曜日は町内にある神園公園の掃除.朝の7時半に20人ほどが集まり,掃除をしてきた.そして一休みして,これを書きはじめている.

 このようにこちらで夏まつりをやっているあいだも,ロシアのウクライナ侵略は続き,イスラエルによるガザ爆撃はくりかえされる.
 そして,アベ・スガ・岸田と続くこの時代に,日本自体が大きく没落している.
 それだけにこういう祭りは大切にしたい.後世,こんなことをやっていた時代もあったのだよと言わねばならないときが来るかも知れない.
 いくつも書きたしたい.とりあえずこれで上げよう.

今がこの国の正念場

 昨夕は定例の梅田解放区であった.私はいつものように横断幕をもつ.たたかうあるみさんも報告してくれているが,十数人が集まり,声をあげ,道ゆく人らに呼びかける.

  戦争反対!
  国葬反対!
  維新反対!

 れいわ新選組参議院大阪府支部長の八幡愛さんが「今がこの国の正念場」と言っている.まったく同意する.
 2017年の暮れに東梅田でのこの街頭行動に参加してもう5年近くになる.一度,地元の年末夜回りと重なったとき以外は,この間欠かすことなく参加してきた.この5年,日本はまさにこの正念場に向って進んできたというべきかも知れない.

 2022年7月8日,安倍元首相が暗殺された.暗殺犯の母親が統一協会に入れ込み,家庭を破綻させた.その統一協会に対する恨みを,統一協会と深い繋がりのある安倍晋三に向けたのである.
 実際,自民党内の潮流の一つと統一協会との結びつきは,奥が深く闇もまた深い.それは,岸信介統一協会の創設者の文鮮明の結びつきにはじまる.

 「分水嶺にある近代日本」にも書いたように,戦後政治の流れのうえに,アベ政治が日本を悲惨国家としたのである.後世の歴史は「アベ政治の10年で日本は悲惨国家として限りない没落の過程に入った」と記されるだろう.すでに国連の FAO HUNGER MAP で日本は 第二水準範囲にある.
 今回の事件は,日本の戦後政治を根底から問う.日本の支配者は,戦前は「鬼畜米英を撃て」と国民を戦争に駆り立て,そのあげくに敗北しながら,戦後は一転して,敵であったはずのアメリカに隷属する.
 統一協会はそのような戦後日本のありようをつくってきた政治勢力のひとつである.アベを国葬にすることは,アベ政治をそのまま肯定することに繋がる.そしてそれは再び戦争への道である.

 日本の近代は、西欧が帝国主義の段階に入ったころ,その外圧に対応しようとして,長州らの下級武士を担い手とする明治維新にはじまる.明治維新フランス革命のようにその社会自体の内からの人民の闘争で生まれたものではなかった.その意味で,近代日本は深い闇のある根なし草であった.
 根なし草近代のなれの果てがアベ政治である.そしてアベ政治のこの十数年で,世の荒廃は大きく深く進んだ.この世の荒廃の果てに,安倍暗殺がある.つまり、日本近代一五〇年の果てに安倍暗殺がある.アベ政治がつくり出した荒廃の果てに安倍暗殺があるのだ.
 ロシアによるウクライナ侵略と日本における安倍暗殺.これらはそれぞれに深い歴史の上に起こったものであり,時代を画することとなった.

 いかに近代日本が根なし草であるとしても,それは非西洋における近代化,つまりは資本主義化の一つの経験である.そのようにとらえ,没落の底からのりこえることの模索こそが貴重な経験となる.
 根なし草近代をのりこえ,人民の力によって歴史を生み出してゆく,それを準備するための基礎作業のひとつとして,自らに課した課題のひとつが 青空学園日本語科 であった.とくに「根のある変革」で,この課題を掘り下げてきた.
 日本語科に書き置いてきたいくつかを読みなおす.日本近代と向きあい,そしてそれを越えてゆくこと,そのためにしなければならないと考えることを積み重ねてきた.

 のりこえてゆく営みそのものが緑の社会主義である.緑の社会主義を,次のような柱で改めてのべようと構想を立てている.しかしこれはまだ何も出来ていない.

 地球は有限、資本主義は終焉する
 近代日本は根なし草の規範なき世
 赤い社会主義から緑の社会主義
 新しい人のつながりが生みだす世

 安倍暗殺は,青空学園で自らに課した課題が,近代日本の避けては通れない課題であることを,改めて示した.根なし草の資本主義のもとではこのような事件はこれからも続く.日本の近代資本主義を根底から総括し,根のある変革の闘いのもとに,緑の社会主義を追究しなければならない.人新世段階の次を拓き耕してゆく道はここにしかない.安倍暗殺はそれを問うている.
 それがどこまでなされるのか.まさに今がこの国の正念場であり,それはまこの国に生きる人民にとっての正念場でもある.

 こうして街頭に立つことで,いろいろと考えることが出来る.それにしても,なすべきことの多いことよ.これからの時代を拓くためになすべきことのうち,私が出来ることは小さい.それでも根のある変革を提起し,私のなしうることをしてゆかねばならない.

戦争反対!

 昨夕は定例の梅田解放区に参加してきた.

  選挙に行こう!
  戦争反対!
  自公を落とそう!
  維新はいらない!

 道ゆく人らに訴える.どれだけの若者が選挙にゆくのか.それを思いながら呼びかける.この日のことは.たたかうあるみさんツイッターに詳しく書いてくれている.

 安倍が7月8日に暗殺された.その闇は深い.報道をあわせると,暗殺犯は以下のように供述している.
「母親が統一教会にのめり込み、多額の寄付をするなどして家庭生活がめちゃくちゃになった」
統一教会に恨みがあり、元総理がこの団体と近しい関係にあると思い狙った」
 そういうことなのだ.これについてはYahooニュースに詳しい.
 また私は,たたかうあるみさんのブログの見解に同意する.田中龍作さんの見解「安倍元首相暗殺の次に来るもの」にも同意する.小出裕章さんの意見にも同意する.

 道の向こうでは参院選全国比例候補である社民党大椿ゆうこさんが街宣をはじめる.梅田解放区側は音量を絞り,協力する.大椿さんが語ることは,梅田解放区が語ってきたこととほぼ同じである.
 大椿さんはある私立大学の職員のとき,有期雇用を理由とした雇い止め解雇にあい,これと闘ってきた人だ.
 豊中の木村議員が応援演説する.森友問題を最初に取りあげた人だ.木村議員が取りあげなければ,森友学園に係わる安倍の不正は表に出なかった.
 明治維新以来の日本の近代は根なし草近代であった.根なし草近代の成れの果てがアベ政治であり,アベ政治の成れの果てが今回の安倍暗殺である.

 それに対して,この半世紀の私の問題意識の基底にあるのは,「根のある変革」ということである.梅田解放区のような行動に参加しているのも,日々の暮らしに根づいた行動を出来るところからやろうとする自分自身の問題意識が底にある.
 日本の近代左翼の闘いはやはり根なし草であった.かつての自分の活動を振り返り,そう考える.そして青空学園日本語科の玄関に「根なし草近代の諸相をとらえいかに生きるかを考え書きおく」と書いているように,青空学園をこの課題を考える場としてきた.もうはじめて20年以上になる.
 そのうえに,ひとつは『神道新論』として書物にまとめることが出来た.これは,いま読みなおせば未熟でもっと掘り下げるべきところや改定すべきところがいくつもある.が,この書で心がけたことは,近代日本の「学問」のように対象を外から見るのではなく,内からの言葉,内からの語りを実践することであった.それがまた本来の学問である.
 数学分野では雑誌『数学文化』の依頼を受けて,この夏に出る38号に一文を寄稿した.いずれ雑誌が出たら詳しく書きたい.
 これらをふまえ,そのうえで,この二著をさらに統合し,近代日本の経験を人類の歴史的な教訓に深め,つぎの段階を拓き耕さねばならない.私はその先にあることを緑の社会主義といってきたが,この言葉の吟味を含めて,すべてはこれからである.

選挙に行って自公維落とそう!

 昨夕は定例の梅田解放区であった.小雨も上がり,十数人ほどの人らが集まって声をあげる.たかうあるみさんのところにもこの日の写真がある.

 参院選だ! 選挙に行って、自公維落とそう!
 戦争反対! 軍拡を進める岸田政権を倒そう!
 維新の首長,吉村府知事や松井市長は,大阪府民の署名が20万筆以上も集まったにもかかわらず,カジノの是非を住民投票する必要はない! と言っている.これは民主主義の破壊だ!

と東梅田界隈を通る人らに呼びかける.かつては大阪市の各区ごとにあった保健所が今や一つしかない.多くの職員を橋下以降の維新が削減した.その他にも,実に多くのまさに新自由主義政策をこの大阪で積みかさねてきたのが維新である.その仕上げにカジノ場を作ろうとしている.
 こんどの選挙で維新に大きな打撃を与えなければならない.そのことを呼びかける.

 いま世界は本当に大きな変わり目にあることをつくづくと感じる.「感じる」と書くのは,まだその意味を自らの言葉でつかみ得ていないからである.しかし,次のことははっきりしている.第二次大戦後の世界は,まず中国革命とその後の東西冷戦の時代があり,それを経てソ連が崩壊し中国が資本主義国になって経済発展を第一として大小の国々が共存する時代に移り,さらにアメリカのアフガン侵略などを始まりとして国家が宣戦の布告もなく他国を侵略するということが続く時代へと変わってきた.ロシアのウクライナ侵略もまさにこの時代のことである.

 だがさらに歴史は前にいっている.かつて第三世界とか発展途上国とか言われた世界が,いま経済においても先進国群より大きくなっている.
 BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)の第14回首脳会談が中国主催で6月23日に開かれた.中国の招待でアルゼンチンも参加したが,バングラデシュインドネシア,メキシコ,トルコが加盟を望んでいるという.
 この会議の直前,​ロシアのプーチン大統領は貿易相手をBRICS諸国へ積極的に切り替えると宣言​しているが,BRICSに加盟している5カ国で全人口の40%以上を占め,しかも経済がますます拡大する国々である.
 これはロシアとの貿易で経済を維持してきたEUにとっては痛手である.また,ロシアは中国をはじめとするアジア諸国との貿易を盛んにしていく方針だが,その中に日本は含まれていない.

 このなかで,日本は大きく没落してゆく.近代の日本は,その歴史的な役割を終えたと言うべきなのかも知れない.
  そのうえで,この近代日本を,非西洋にあって最初に資本主義化した歴史の経験として,まさに総括しなければならない.それがこの地に生きるものの責任だと考えている.
 『神道新論』は,そのような問題意識ももって書いたものであり,それを受けて『分水嶺にある近代日本』を著したのだが,それ以降はまだできていない.何度も同じことを書いているが,自分自身の確認のためでもある.少しずつでも前に進みたい.
 第二,第四土曜に定例の梅田解放区が行われる.街頭に立ち,道行く人を見ながら,少しは自分の考えも深めることができる.こうしてその報告を書けることは,ほんとうにありがたい.

同窓会等々

追伸18日:17日には旧友の前田さんと神戸三宮で会い,会食した.彼が灘高を中退し,釜ヶ崎で活動していた頃,雑誌『月刊たいまつ』の読者会で知りあい,その後一時期,政治活動を一緒にした人だ.
 関東に住んでいるが,神戸芸術工科大学でも教えていて,月に何回かは神戸に来る.
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 6月の11日と12日は後に思い出しても印象深く思うであろう2日となった.同窓会のことなど書いておくと,あとで読みかえして,「ああ,あのとき参加した.あれからもうこんなに時間が経ったのか」と(生きていれば)思いおこす一助になる.そこで今回のことも自分の記録として書いておく.

 昨日11日の昼は,かつての理学部教養課程のクラスS1の同窓会(S1会)であった.数年ぶりに開かれた.京大理学部は第二外国語でクラス分けしていた.S1(理学部1組)はフランス語のクラスだった.
 その同窓会を祇園の老舗の料理店 ちもと に15人集まっておこなった.50人ほどのクラスで,それから半世紀以上経って15人集まるのだからよく集まった.
 それぞれの今を語り,京料理を味わってきた.これからは毎年集ろうやということになった.ずっと世話をしてくれていたTさんが3年ほど前に亡くなり,それはさみしいが,あとを継いで世話してくれる人がいてよかった.
 帰り道は,高校から京大へと一緒だったYさんといろいろ話しながら途中まで一緒した.彼は大学に入って間もなく探検部にはいり,南米パタゴニアに探検に行った.帰りの船のなかで京大闘争のさまざまの報道に接し,日本に戻ってからは院試粉砕闘争,それからは関西空港建設反対闘争に没頭,そのまま退学し,その後 日本労働党 に入党して,今も京都府委員会の長である.
 またゆっくり話をしようということにして,この日は阪急電車の最寄り駅で別れた.

 それから定例の梅田解放区に参加するため大阪に向かった.小雨なので,JR鉄橋の下に集まる.こちらはいつものように横断幕をもって,順に話すのを聴く.梅田解放区にも
 戦争反対、カジノ反対のみならず、選挙に行こう、自公を倒そう、差別反対、組合つくろう…なんでもOKだよ!
と書いているが,その通りである.それぞれが思いの丈を話す.こういう場があることは本当に大切なことだ.こういう場を作ってきた若い人らに感謝する.

 そして今日12日の日曜日,朝の7時半から地域にある神園公園の掃除に参加した.30人以上の地域の人らが公園の清掃に集まってくる.私にとってはいい運動でもあり,地域の人らとの交流でもあり,ありがたいことだと思っている.
 家に戻って一休みして,それからJRの京都駅にむけて出かける.私の母校の中学の同窓会,京都教育大附属桃山中学の同総会に参加してきた.全部で140人くらい集まり,同学年の人は9人だった.総会の後の懇親会では,美味しい白ワインをいただきながら,懐かしい人らとしばしの語らいをしてきた.
 このように,思い出とともにある集まりはほんとうに貴重である.

 さて,ロシアがウクライナを侵略して三ヶ月になろうとしている.ここにまで至る歴史は長く,そしてまた入り組んでいる.その上で,ロシアによるウクライナへの侵略そのものは,やはり現代のファシズムではないだろうか.この戦争によってイスラエルアメリカの軍需産業の株価は大きく値上がりしている.双方が闘わざるを得ないようにしむけたのは,国際的な軍需産業ではないか.
 戦争の長期化で国際的に食料危機が顕在化している.特に深刻なのは,中東や北アフリカである.そしてその中東のイエメンでは,暫定政府とフーシ派の戦闘が今も続いている.強欲な資本主義がこれらの戦争を引き起こし裏から操っている.
 日本では,自民党改憲策動も新たな動きが出てきている.日本の軍備を増大させるのは,軍需産業の仕業そのものである.日本の政府はその上で踊っている.野党も報道機関もそのことを公に指摘することはない.すべてが組み込まれているのだ.
 ウクライナ侵略もコロナ渦も,地球を覆いつくした現代の新自由主義資本主義がもたらしたものである.有限な地球の上で限りない経済成長を追求するかぎり,もはや戦争しか大きな儲けは生み出せない.したがってこれからも戦争は起こる.そしてまた疫病の蔓延も起こる.

 このまま資本主義の果てにファシズムが世界をおおうのか,資本主義を転換し緑の社会主義に向かうのか.いまわれわれはその分岐を生きている.日銀の黒田総裁が「家計が値上げを受けて入れている」と発言し大きな批判を受けている.彼はまさに戦争で大儲けをする側にいる.

 追伸:今日13日,鹿砦社から『季節』(2022夏号)が献本として贈られてきた.松岡さんありがとうございます.じっくりと読ませていただきます.

 懐かしい人らとの再会の同窓会と,ロシアによるウクライナ侵略,いまこのとき,これが同時にあるのだということを、帰り道で思わざるをえなかった.
 国家の枠組みを乗り越える智慧は人間にあるのだろうか.この問いの意味自体を深く掘り下げなければならない.

 私は,近代日本を根なし草近代ととらえ,日本語と数学の分野でその意味を考えてきた.そして,それをふまえて,根のあるものを生みだしてゆくためになしうることをしようと,青空学園の場での営みを続けてきた.
 そのうえに,ひとつは『神道新論』として書物にまとめることが出来た.数学分野ではこの夏に出る雑誌『数学文化』の38号に依頼を受けて一文を寄稿した.
 これらをふまえ,そのうえで,この二著をさらに統合し,近代日本の経験を人類の歴史的な教訓に深め,つぎの段階を拓かねばならない.私はそれを緑の社会主義といってきたが,中味は総てこれからである.
 この話を,前田さんともした.

 地域での日々の町内活動も,また生業としての高校生に数学を教える仕事も大切にしながら,同時に,今を生きるものとして,世界の今を切実につかみ,その意味を考え,なしうる行動をとることを,まさに命あるかぎり続けたい.

戦争反対!!

 昨夕は定例の梅田解放区であった.皆で声をあわせる。
 ロシアのウクライナ侵略を受けて,梅田の街頭に立ち道ゆく人に戦争反対を呼びかける意味が,深まってきた.横断幕をもちながら,道ゆく人びとを見ていて,それを思う.それぞれに思うことごとを語り,私も少し喋ってきた.

 大阪にカジノ場を作ることが維新によって画策されている.これに対して住民投票を求める署名が18万筆集まった.住民投票をするためには条例が必要で,有権者の1/50の署名が要る.それは14万であるが無効署名もありうるので,18万を目標にして取り組まれてきた.それが集まった.大阪都構想も否決された.維新政治は少しずつ追い込められている.その報告もあった.

 ロシアのウクライナ侵略によって,本当に難しい段階に入った.ロシアのウクライナ侵略は,ロシアが資本主義となり中国もまた資本主義となって以降の地政学的領土と支配権争いの行きついた果てである.
 そして,この戦争もまた,国際的な軍需産業が裏で操っている.膨大な兵器が使われ,膨大な利益が軍需産業にもたらされる.
 5月24日,米国務省は「米国のウクライナへの安全保障協力」と題した文書を発表したが,ウクライナに武器援助を約束した米国の安全保障支援は,以下の通りである.

1400台を超えるスティンガー対空システム/5500以上のジャベリン対人兵器システム/1万4000以上のその他の対人兵器システム/700台以上のスイッチブレード戦術無人航空機システム/155mm榴弾砲90門と155mm砲弾18万4000発/155mm榴弾砲を牽引する戦術車72台/Mi-17ヘリコプター16機/数百台の装甲高機動多用途車輪型車両/M113 装甲兵員輸送車 200台/7000以上の小火器/5000万発以上の弾薬/7万5000セットの防護服とヘルメット/レーザー誘導ロケットシステム/プーマ無人航空機システム/フェニックス・ゴースト戦術無人航空機システム/無人沿岸防衛船/対砲兵レーダー17基/対迫撃砲レーダー4基/航空監視レーダー2基/M18A1 クレイモア対人弾/障害物除去のためのC-4爆薬と解体装置/戦術的安全通信システム/暗視装置、熱画像システム、光学機器、レーザー距離計/商業衛星画像サービス/爆発物処理用防護具/化学・生物・放射性・核防護具/応急処置キットを含む医療用品/電子妨害装置/現場設備と予備部品

 これを総て軍需産業が受注するのである.この戦争の意味をこれほど明らかにするものはない.戦争を煽り,そして大儲けをする.それがウクライナ侵略の中味である.
 これに乗じて,岸田政府は日本の軍事費を大きく増やそうとしている.日本政府を操っているのも国際的な軍需産業である.
 それでは,冷戦以降のこの戦争をやめさせるために,それぞれ何をすべきなのか.それを考え行動するときである.

 今年は,沖縄の日本復帰から半世紀である.考えてみれば,1972年は,私が京都ベ平連の毎週のデモに参加した年である.あのとき,まさに5月15日,鴨川べりに集合して京都市内をデモし,京都市役所前広場で集会をもったのを今も覚えている.欺瞞的な「返還」に抗議・抵抗するデモであった.教員時代以外は,ほとんど毎週デモをしてきたこの半世紀である.
 私は,1966年大学入学である.学部時代は68年から69年の時代であり,全学ストが続いたときであった.4回生のとき,数学をやるつもりで大学に来たのにまだ何もやっていないと思い,修士過程の2年間は勉強と研究に没頭した.そして分かった.自分は数学は好きだが,数学者ではない.
 それでこれからどうするか,1972年,73年とそれを模索した.数学の教員になってそれを仕事にしよう,そう考えていたとき,一緒にデモをしていた人から兵庫県で教員を探している高校があると教えられた.その縁で73年の秋から臨採で高校教員をはじめたのだ.教員免許が取れた74年から13年間,正規採用で教員をした.12年働いたら奨学金返済が免除になるので,13年で教員を辞めた.そんなことを思い出した.  

 さて,昨日も街頭に立って考えた.日本国憲法前文と第九条によって,自衛隊在日米軍の存在は憲法違反である.ここに立ちかえろう.戦争で問題は一切解決しない.戦争をやめ話しあえ.これが日本の憲法の意味であり,ロシアによるウクライナ侵略の今こそ,その意味はかぎりなく大きい.
 第九条は,戦争放棄,そして他国の戦争における非武装中立を定める.
 しかし日本政府はもとより多くの野党も,確信もってこれを言うことができていない.それどころか,日本政府は,この機に軍備の拡大を意図している.そして,日本政府の軍拡の道は,その果てに,ますます日本の没落を早める.いちどは通らねばならないのかも知れないが,それでは犠牲が大き過ぎる.
 非武装中立はまさに 戦争するな! 話しあえ! そのものである.非武装中立を世界に向けて宣言し,それでも戦争を仕掛けるものがいたら,それがいかに誤ったことかを解き明かす.この原点が打ち立った政治を取り戻そう.それを訴えた.
  いまこそここに立ちかえろう.