2011-01-01から1年間の記事一覧

9・11から10年

10年前,9・11の後2001年9月18日,当時やっていた掲示板に次のように書いた. まず今回のテロで死んだ人々を心から哀悼します.また行方不明者の生存を祈ります.いつも犧牲になるのは労働者です. しかしアメリカの報復戦争に反対です.今回のテロは,アメ…

『福島の原発事故をめぐって』

山本義隆さんの『福島の原発事故をめぐって』をアマゾンに注文していた.ところが書店には山積みしてあるのに,なかなか送ってこない.アマゾン書店は書物の内容で扱いに差があるのか.それでこれをキャンセルして本屋で買ってきて,すぐ読みあげた. 1937年…

RISA/ASIRを使う

RISA/ASIRという数式処理ソフトがある.もとは富士通の研究所で開発された.現在は神戸大学でその後の開発が続いている.最新版は『Risa/Asir (神戸版) ダウンロードページ』にある. 青空学園では『数学対話』でこれまで2回使った.最初が「包絡線」の計算…

九月,夏の終わり

今日午前中に問題作成が終わり送信した.昨日解答を作っていたら思いの外計算が複雑になり作り直した.とりあえずこれで夏の仕事は一段落.今年の夏休み,東北に旅することも考えたのだが,こちらに留まり仕事を続けた.そうしたらちょうど昼過ぎに二冊,注…

民主党代表選挙

今日は民主党代表選挙であった.私はもとより民主党の支持者ではないし,現在どの党派の支持もせず,ましてどこにも属していない.が,民主党代表選挙には今日の日本の矛盾が集中的に現れているという観点から,これに注目してきた.民主党選挙を規定してい…

秋の足音

秋が近づいてきた.7月11日以降問題作成と夏期講習で時間がいっぱいで,自分の勉強や考える時間をとることが出来なかった.昨日ようやく,難波誠先生の『代数曲線の幾何学』を読み返し,それからパスカルの定理の代数的な証明を整理した.これは昔『数学対話…

人に会う(続)

昨日,38年ぶりにHさんに会って食事をした.昔京都で一緒にデモなんかをしていた人.私が京都を離れてから会っていなかった.同じ時代からの知り合いのTさんが段取りをしてくれた.大阪でカビの研究者.今日からまた調査で旅行に出ると言っていた.私が兵庫…

福島第一・地面から水蒸気が噴き出している

この1週間授業で忙しく知らなかった.既存のテレビや新聞は福島の原状がどうなっているか,全く放送しようとしない.しかしネットでは次の放送が流れている.家人に聞いたらそれはもう東電も定例記者会見で認めているとのこと.「福島第一・地面から水蒸気が…

夏期講習終わる

残暑お見舞い申し上げます. さてこちらの担当の夏期講習が終わった.この週は4コマでさすがに足は疲れたが,皆よく勉強した.最後の時間の2年生の科目は後から他の先生の都合で入ったのだが,これが結構面白かった.テキストの1日目に2009年の一橋大の問題…

敗戦記念日に

8月15日,敗戦の記念日である.あの戦争については二回書いた.「『魂鎮への道−BC級戦犯が問い続ける戦争』を読む」(2009-08-19).「六十五年目に」(2010-08-08).これらで書評を通して私の考えは書いているが,今年は8月9日に志村建世のブログの「長崎への…

「日本に京都があってよかった」か

昨日「日本に京都があってよかった」というポスターを地下鉄で見た.どこのだろうとネットで探すとなんと京都市総合企画局のだ.京都創世PRポスターというのだそうである.しかし今回の送り火騒動を見るかぎり,これは京都の思い上がりである.「よかった」…

送り火のこころ

今年の京都五山送り火のひとつ,如意ヶ岳の手前の大文字山の送り火で,当初,東日本大震災の津波で倒れた岩手県陸前高田市の景勝地「高田松原」の松を京都に運び、それを使うことが計画され,準備もされた.それが中止になった.それに対して,中止はおかし…

ドルの時代の終わり

2年半前,2009年3月に京大経済学部に合格した人に「在学中の四年のうちに,ドルが紙切れになるという歴史的な事実を目撃することができるだろう.」と言った.これは当時の『数学対話』「反転と円環問題」増訂 の中の言葉である. 歴史には法則的に進むこと…

次代のために今を耕す

昔の知り合いから私のところに送られてくる『人民新聞』の最新号(1420号)の記事「次代のために今を耕す」に心を動かされた.福島で地域の農業再生のために有機栽培に取り組んでこられた菅野さんへの取材記事である. 私が農業を営む二本松町は、平成の大合併…

ガロア理論

雑誌『現代思想』4月号が「ガロアの思考」を特集している.ガロア生誕200年を記念してのものである.そのなかで吉田輝義氏の「ガロア理論の基本定理」にいたく感動した. ガロア理論については思い出がある.エム・ポストニコフの『ガロアの理論』(1964年4月…

ムカデ

昨日,ムカデにかまれた.朝食のとき右の手が痛い.振り払うとムカデの子が逃げていった.すぐにどこかに隠れて見失った.痛みはすぐに引いたので,蚊に食われたくらいに甘く考えていたが,右手はまるまると腫れてしまった.昨日もっと処置をすればよかった…

季節感など

昨日の夕方ヒグラシが鳴いた.まさにこの声である.しかし,である.高原ならいざ知らず六甲山系の麓の西宮山手でこの時期のヒグラシは早すぎる.と思っていたら,今日神戸教室で福知山で田んぼも作りながら数学も教えているM先生が「昨日ヒグラシが鳴いてい…

盛夏の候

盛夏の候,暑中お見舞い申し上げます.7月も終わろうとしている.もうハンミョウが現れた.少し時期が早いようにも思う.この半年,こんな短い期間にいろいろな激動があったときは,歴史的にもそんなに多くない. 1月のチュニジアジャスミン革命から2月エ…

高速鉄道の事故

23日夜に中国浙江省温州市内で高速鉄道車両の追突事故が起きた.そして現場では24日,重機で土を掘り先頭の運転車両を埋めてしまった.中国のネット上では「事故原因を隠すためのではないか」との声が広まった.上海鉄道局の関係者は「事故原因の究明には役…

ようやくの夏

ようやくに姿を見せたクマゼミ.公園も夏らしくなった.クマゼミとアブラゼミの声が響いている.去年,今年のセミは本当に遅かった.あるところで次の記述を見つけた.一次資料にあたれていないので,こちらで検証できるまでは,伝聞としておく. 蝉(セミ)…

アブラゼミ

ようやくにアブラゼミが鳴きだした.写真はお隣の家の壁でなくアブラゼミ.今年のセミの遅さは天変地異の渦中にあることを教えている.それでもアブラゼミの声を聞くとほっとする.あちこちで抜け殻も見るようになった.写真はアブラゼミの抜け殻.その他に…

I期終わる

昨日でI期の授業が終わった.二週間ほど授業はない.M3W期末テストの採点,問題作成やその他いろいろ書かねばならないこと,行かねばならないところなどがある. 信州大医後期の問題と解答を作った.幾何的に論証しようとすれば,パスカルの定理が必要である…

祇園祭山鉾

祇園祭の時節である.暑い京都の夏と祇園祭は一体だ.この祭は明治の神仏分離までは祇園会といわれ,佛教を背景としていた.新嘗祭のような収穫の祭や新年の行事が神道を起源とするのと少し違う.「少し」というのはいずれにも神仏習合があるからだ.祇園会…

射影幾何(続)

パスカルの定理の再構成とその双対のブリアンションの定理までいけたので,HTMLファイルも更新した.構成がずいぶん変わっている.ここからはいろいろ不備なところをなおしながら,代数幾何的考察に一歩踏み込んでいきたい.そのあたりまでが高校数学の周辺…

3・11後四ヶ月

3・11東北大地震以後四ヶ月である.福島原発事故の後始末にはおそらく1世紀,100年に近い年月を必要とするだろう.東北大地震は,大逆事件で幸徳秋水らが刑死し,日本が軍国主義の道をひた走り始めてから100年目に起こった.そして100年前に形成され,維持さ…

崩れゆく旧体制

九電の「やらせメール」問題はいろんな意味であきれる.内部告発か,あるいは少なくとも「こんなメールがまわっています」と言うことが共産党議員に連絡が入ったのである.そのメールが印刷されて国会で質問され,その4時間半後に九電社長が謝罪会見.原発に…

セミが遅い

今年もセミが遅い.去年もそれを感じたのだが,ニイニイゼミの抜け殻もまだ見ない.去年のこの時期には,それは見つけていたので,今年はさらに遅い.大きな気候の変動がすすんでいる感じである. そしてまったく福島原発の終わりが見えない.日本国の政治も…

射影幾何(続)

射影幾何の勉強が二度目の山を越えた.一度目の山はパスカルを訳し,できる範囲の証明をつけた昨年の今頃だった.PDFはほぼ毎日更新している.いろいろと論証の不備が後から出てきて,そこを埋めるのにまた時間がかかる,このくりかえしである.何か気づかれ…

祈り

今朝,七時過ぎに犬を連れていつものように夙川上流を散歩した.宗派はわからないが,壮年の一人の寸胴の僧衣のそれらしい風情のキリスト教の修道士が写真の光景と同じ増水し流れる川をじっと見つめて立っていた.写真そのものは五月末の大雨のときのもだが…

地震から三ヶ月

もう三ヶ月である.地震から三ヶ月であり,福島原発の炉心が溶融してから三ヶ月である.戦後日本の虚構の一つが崩れて三ヶ月である. 東北のがれきはまだそのままである.被災者の今後もまったく見通せない.阪神地震のときは三ヶ月後の四月半ばにはがれきの…