2011-01-01から1年間の記事一覧

ドル崩落の危機

アメリカが,リーマンショック以降ドルを刷り増し,それによって見かけの景気回復を演出してきたが,いよいよそれも難しく,再び景気後退に陥るのではないかという懸念が表に出てきてる.今や失業率は9.1%になっている. 米国の連邦債務は数週間後に法定上…

6・11反原発御堂筋デモ

議会政治は相変わらず右往左往をくり広げている.これはこの先,議会党派の現在の枠組をこえて,消費税連立と脱原発連立に分岐してゆくだろう.それ以外にありえない.議会の中だけでは何も動かない.結局は直接行動の力である. 6・11は世界中で反原発の統…

射影幾何(続)

『パスカルの定理と幾何学の精神』の第2章まで作った.これからも書き足すが第2章の大枠はできた.ノートを取り出すと,2010年の1月に『デザルグの定理』,3月に『九点円の不思議』を作り,それからパスカルの『円錐曲線試論』を読み,夏までかかって高校数…

『アンドレとシモーヌ』を読む

出たばかりの本『アンドレとシモーヌ−ヴェイユ家の物語』(春秋社,2011.5.20)を昨日今日で一気に読んだ.著者は故アンドレ・ヴェイユの娘のシルヴィ・ヴェイユ.彼女自身は小説家である. アンドレ・ヴェイユ(1906-1998)はブルバキを結成したフランス人数学…

人と会う(続)

昨日は,S台のM師,H師と食事をした.この数年,半年毎に会食している.M師はいつもいろいろ本を紹介してくれる.昨日もアメリカで出版されている確率と組合せ論の問題集と解答集を見せてくれた.網羅的に問題が整理されている.受験問題集としては問題数が…

現代文明の中核的問題

人民新聞 第1421号、2011年5月5日付に,「敗戦に匹敵する危機−『原子力立国』日本の終焉か?」と題する,ギヤバン・マコーマツク(オーストラリ国立大学名誉教授、日本研究者)氏の『カウンターパンチ』2011・4・22−24に載った論説が,脇浜義明さんの翻…

原発いらん!関西行動 第2波

福島原発は,いよいよ困難な段階になってきている.東電は1号機のメルトダウンをようやく認めたが,それ以上に深刻なのは3号機と4号機である.冷却できていない.京都大学・原子炉実験所助教の小出裕章先生が「悲惨を極める原子力発電所事故―終焉に向かう原…

相互リンク

青空学園をはじめてこの夏で12年である.長い時間が経過したように思う.その結果多くのサイトが青空学園をリンク集などで紹介してくれるようになった.一昨日,リンク切れなどを整理し,新たに2件追加した.リンクということでなくてブログで紹介していると…

人と会う(続)

今日は35年ぶりの人と会った.結婚式にに来てくれたYさん夫妻.彼の方とはその後も会ったが,彼女の方は本当に35年ぶりだ.大阪で教員をしてきた.それと今年の2月にも会ったTさんとそのお嬢さん,そしてNさん.今も救援の活動をしている.みんな昔京都…

原発破局

雑誌『現代思想』5月号は「特集東日本大震災−危機を生きる思想」として多くの人が一文を寄せている.すべて読んだ.そのなかで「ヒロシマからフクシマへ」(関曠野,思想史)はその冒頭で次のように言う. 恐れていた原発事故という悪夢が現実になってしまった…

コーシー・シュワルツの不等式

世にコーシー・シュワルツの不等式といわれる絶対不等式がある.「絶対」というのはつねに成立するという意味である.高校では,相加平均と相乗平均の不等式,コーシー・シュワルツの不等式,三角不等式である.これらは別々の不等式として理解している人が…

震災以降

われわれは大震災以降の時代を生きはじめた.この時代をどのように生きるのか.震災以前の体制に戻すように生きるのか,新しい時代を生みだしてゆくのか.問題はこのように立てられている.新しい時代の構想,ここからいろいろ考えてゆきたい.そう思って,…

春の盛り

桜もあらかた散り,葉の芽がふいて葉桜である.それぞれの植物が新しい葉を広げ,日の光を受けとめる時節となった.この一ヶ月,春期講習から新学期と授業準備と問題作成におわれていたが,作成問題はようやく昨日送った.一段落である.写真は公園の藤の花…

原発いらん!関西行動

上記デモに行ってきた.3500人は集まっていただろうか.関西では昨秋以来の久しぶりに大きな集会とデモになった.ちょうど2ヶ月前に食事をしたUさんも参加していて,ばったり出会い淀屋橋から難波まで一緒に歩いてきた.福井県で原発に反対する運動をしてき…

反原発デモ

昨日,東京は高円寺で素人の乱が呼びかけた反原発デモに15000人が集まった.9割以上が20〜30代.ネット情報から何とかしなければと集まった人たちだ.レイバーネット写真速報.UnionTube.YouTube.原発危機のなか,ようやくに若い人たちが動き始めた.これ…

最悪に備え最善を尽くす

この2週間,春期講習と問題作成で時間がなかった.じっくり考える時間のとれないのはこの先もあまり変わりそうにない.長い時間をかけて考えてきたことごとをまとめてゆきたいと思いながら,今年も結構忙しく時間が過ぎそうだ.そしていつの間にか桜の時節で…

近代と核力

昨日の午後から今日の午前中まで親の墓参りをかねて宇治に帰省した.昨日は朝日山までのぼり天ヶ瀬ダムまで歩いた.今朝は墓掃除の後,宇治上神社から三室戸寺まで歩いた.写真は朝日山山頂の莵道雅郎子(うじいらつこ)の墓.これ自体は江戸時代に建てられ…

射影幾何

『パスカルの定理と幾何学の精神』の第2章「射影幾何」の第2節「射影変換と複比 」の第1小節「点の演算」まで作った.PDFは最新である.いま作っているのは,こちらが楽しんでやっている段階のもので,まだまったく教育的なものではない.前にも書いたが『射…

計画停電?

追伸:ようやく22日になって電力状況が報道されはじめた.火力発電所も被災し止まっていたのだ.福島原発の廃炉は不可避となりようやく東電も被災の全容を出し始めた.それでも停電があのように必要なのかは検証しなければならない.以下の一文は14日時点の…

2010年度終わる

昨日,2010年度の最後の授業があった.2年生のM2Wだ.京都と大阪のこの授業の添削をして送り返さねばならない.大阪のM3Wを受けていたK君が阪大に合格してメールをくれた. 先生お久しぶりです。今年度Z会梅田教室M3Wでお世話になりましたKです。本日大阪大…

合格発表の時節

一通り合格発表があった.去年わずかの点数で不合格だったYさんが,今年京大理学部に合格した.これで20人足らずだった去年の京都教室の選抜クラスから,現役で合格していたK君,K君,M君とあわせて4人が京大理学部に進みそのうち3人が数学志望だ.少なくと…

アメリカの良心

メア日本担当部長が解任された.これを日本政府は「歓迎」し一件落着にしようとしている.しかし解任ですむ話しではない.発言の背後にあるものを追究しなければならない.この解任が,日本とアメリカの官僚が事態をおさめるために裏で動いて画を描いた結果…

『解析基礎』

大学3年生のYさんから『解析基礎』について,手紙をいただいた. 日本の高校数学では,積分がはじめから微分の逆演算として定義されている.しかし,事実としても歴史的にもそうではない.実際,歴史的には積分の方が古いし,それぞれ独立に定義された.それ…

米国国務省の沖縄認識

アメリカ政府の日本と沖縄への認識がどのようなものであるか,それが表面に出た.次の報道をよく読んでほしい. 毎日新聞:米国務省:和の文化「ゆすりの手段」メア日本部長が発言,沖縄タイムス:沖縄は「ごまかしの名人」メア米日本部長が発言,琉球新報:…

三月雑感

三月になった.二月から三月への季節のうつりかわりが昔から好きだった.昔はどの家にも土間と竈があり,畳の上の生活だった.二月の畳の冷たさ,火鉢の炭火にしもやけの手をかざす温もり.そのような冬にも竈に置かれた榊の葉は青く,乾いた風が土間を吹き…

エジプト革命の息吹

エジプト革命の息吹を現地から伝える新聞が届いた.『人民新聞』通巻1404号,2011年2月15日号だ.人民新聞特派員の阪口浩一さんが現地から伝える革命の有り様は,読んでいて心動かされる.阪口さんは上記人民新聞webの最初のページにあるように,昨年12月2日…

中東革命

少し歴史を勉強した. 2011年1月16日,チュニジアのベン・アリー大統領を追放した革命は,巨大な変革の時代の幕を開けた.チュニジアにはじまる中東の激動は,戦後アメリカによって作られてきた石油資源をアメリカが独占する体制をつき壊し,それによってア…

人と会う(続)

昨日は古くからの友人2人と一緒に大阪の弁天町で食事をした.一人とは3年ぶり,一人とは一度本屋でばったり会って以来なので2年ぶりである.Tさんは大阪で診療所の事務の仕事をしながら組合活動をしていたが,彼を含む多数が不当解雇されもう20年以上組合委…

御堂筋デモ

第2回大阪御堂筋デモが先日12日(土)にあった.「第2回大阪御堂筋デモの動画」がここにある.YouTubeはここ.この寒いなか800人以上が集まった.当方は授業があって参加できなかった.関生労組が200人ほども組織参加し,その他にもいくつか労組ののぼりもある…

人と会う(続)

10日に京都大学数理解析研究所にいった.研究集会『教育数学の構築』の最終日,三重大学教育学部教授の蟹江幸博さんの話を聞くためである. 彼とはまさに40年ぶりの再会である.数学科の学部と院で同級だった.会うなり「お前生きていたのか」が彼の口か…