2009-01-01から1年間の記事一覧

フランス紀行3

昨日,今回の旅の目的の一つ,カルカソンヌを訪れてきた.学生時代に一度カタリ派の里にいってみたいと思ってから37年目の訪問だった.どうしてカルカソンヌに行きたかったのか,記しておこう. 世界史を学んだ人は十二世紀フランスの「アルビジョワ十字軍…

フランス紀行2

昨日はリヨンの街を歩きまわった.ローマ時代の植民都市に起源をもつ古い街である.何となく京都のような落ち着きもある.丘の斜面の旧市街からルネサンスの頃に拓かれた街区まで歩いた.そのむこうにさらに新しい時代の街が広がる.いろんな人がいる.昼間…

フランス紀行1

19日からフランスに来ている.南フランスのいくつかの地方を訪れるのが目的である.日本との時差は7時間.日本時間から7時間引いたのが現地時間である. 19日はパリ・モンパルナス泊.パリは緯度が高く夜の9時半になっても明るい.空気は乾燥していて…

I期終了

今日でI期の上行が終わった.MKZやMKXではこちらの思わぬ別解もあり,いろいろ得るところがあった.I期はどこも問題の意味を大きくつかみ,着眼点や糸口の見つけ方に重点を置いて進めてきた.II期は答案作成を主題に,解答を仕上げることに重点を置いて進め…

亀を川に帰す

今朝、犬と朝の散歩をしていると、大きな亀が県道の真ん中をあるいている。よく車にはねられなかったものだ.甲の高さが10センチはあり、車が乗り上げると横転しそうだ。ちょうどそこに行きあわせたのも何かの縁だ。行き交う車を止めて亀を持ちあげ道端に避…

マレーシアの経験

あるネット記事で「英語で教えるのは限界…マレーシア 理数学力まで崩壊」というのに出会った. 多民族国家マレーシアの小中学校で行われてきた英語による理科と数学の授業が2012年以降,マレー語や中国語,タミル語の各言語での授業に戻されることになっ…

ヒヨドリの巣立ち

朝方、4羽のヒナのうち3羽が巣立った。日に日に大きくなって、まったくあっという間の巣立ちである。もう1羽、巣にいる。巣の縁につかまるところまできたが、まだ巣立てない。写真は巣からでたばかりの1羽。巣立ったヒナは1羽ずつ近くの木にとまっていて、親…

FMラジオに出演

大阪箕面に みのおFM という地域のFMラジオ局がある.周波数 FM 81.6 MHz である.箕面を中心とする近隣地域の放送である. 月に一回、90分の番組を阪大工学部の大学院生8人のメンバーが担当している.番組名が「ふらっとちゃっと」,そこにゲストとして招か…

別解のおもしろさ

昨日京都でMKZの授業があった.帰納的に考えることがテーマで,場合の数や確率などを漸化式を立て求めることを中心にやった.その後,プリント演習では99年京大文系の問題を配り,適切な場合分けで計算することと漸化式を立てて求めることの二つの方法でやる…

『数学対話』「凸領域と凸関数」改訂

これまで「凸多角形と凸関数」として『数学対話』に入れていたものを改訂した.凸多角形はあまり本質的ではないので,話の骨格がわかるように書き換えた.凸関数の不等式 (ただしで係数は[tex:00,\sum_{j=1}^m \frac{1}{p_j}=1] に対して 昨日の京都でインフ…

『別解研究』

『別解研究』を新訂した.I期のあいだに気づいたり教えられたりした別解を加え,さがしていた問題も見つけ,再編成した.この問題をノートし二つ以上の解き方を考えるようにすれば,力をつけることができるはず.PDFファイルも提供するので,勉強の参考にし…

元谷前文に見る外因論

先日土曜日は京都に泊まった.日曜日に「錬成ゼミ」が京都であり,土曜も京都で授業なのでそうした.錬成ゼミははじめて受けもったのだが,テストゼミなのでいろいろ感心するような別解もあって面白かった. 泊まったのは「アパホテル京都駅 堀川通」.耐震…

『日本語練習帳』

故大野晋先生の『日本語練習帳』,『日本語の教室』(いずれも岩波新書)を読みかえした.大野先生は,日本語起源論で尊敬している.『日本語の形成』,『弥生文明と南インド』は手元において今もひもとく.が『日本語練習帳』の「思う」と「考える」の項や,…

梅雨入り

昨日から梅雨に入った.湿気があると,壁や床が少し冷たく感じる.子供の頃の梅雨時の少ししめった冷たい畳の感触を今も覚えている.風景や風土の感覚を身に刻みながら人間が生きていくということはどういうことなのだろうか,と考えてしまう. この二,三日…

六月!

六月に入った.大阪の高校もほぼ日常に戻った.インフルエンザの流行の結果,休校や行事の中止,延期が続いて,これからもいろいろな影響が残る.またふたたび流行することも十分心得ておかなければならない.京都教室で授業の前に冗談で「これで関西の高校…

授業再開

授業再開である.京都教室だけは27日まで休み.今回の新型インフルではいろいろな経験をつんだ.神戸の医者がもしやと疑い,渡航歴のない人の検査を保健所に要請した.後回しにはなったがとにかく検査が行われ,国内での感染が明らかになった.ここにはやは…

『高校数学の方法』第7版

休講で時間ができたので集中して『高校数学の方法』第7版を作った.いくつか問題を増やし,記述も改訂した.これをもとに今後少しずつ改良を加えたい.もっと基本的な例題を入れることも考えているが,こちらの言いたいこと,高校生が身につけてほしい方法論…

新型インフルエンザ

兵庫県,大阪府の高校生を中心に新型インフルエンザ感染者が増えている.塾も神戸教室は地域の高校が休校なので金曜まで閉鎖である(西北も閉鎖,最新情報はここを).弱毒性ではあるが伝染力は強いようだ.潜伏期間が季節性のヒトインフルエンザに比べて長い…

『高校数学の方法』第7版+小沢辞任について

『高校数学の方法』第7版を作り始めた.最近の入試問題を例題などに取り入れ,解説内容を増訂したいと思っている.『高校数学の方法』は『数学対話』とともに,高校数学に対する考え方をのべたものだ.材料はすべて高校数学を出発にしている.『数学対話』は…

憲法記念日

今日は現憲法が公布された日。大阪であった第9条をかえることに反対する集会に参加し、同じ講師仲間の先生と一緒に久しぶりに大阪の街をデモしてきた。現状が憲法にあわないから解釈で改憲し、軍隊を海外に出そうという動きが、1992年のPKO以来の一貫した流…

新自修英文典 復刻

研究社の『新自修英文典』が復刻された。高校生の頃、この本で勉強した。本の表紙や体裁、手触りをよく覚えている。懐かしい。いま手元にはないが、苦労して読んだ。あまり英語は得意ではなかった。塾の英語の先生に聞いたら昨今の高校生で読みこなせるもの…

イトトンボ

昨日の朝,イトトンボを見つけた.夙川も昔はいっぱいいたのだが,川が汚れて最近は少なくなっていた.去年はいちども見かけなかった.川に螢も戻ってきたが,少しずつきれいになっていくのならいいのだが.はじめて夙川上流に住んだ25年前には,梅雨の時期…

京大平面幾何問題

この2,3年京大入試で平面幾何の問題が続いている.1960年前後は毎年のように出ていた.そこで,過去の平面図形関連問題の一部について問題だけを紹介していた(京大平面幾何問題)ものに解答をつけた.図形問題は,整数問題と同じく,論証の奥は深い.いろい…

伊藤和也さん追悼写真展

昨年八月,アフガニスタンで亡くなったペシャワル会の伊藤和也さんの追悼写真展が,京都出町柳で開かれている.京都での授業の前にいって見てきた.そして遺稿・追悼文集『アフガニスタンの大地とともに』(ペシャワール会編,石風社,2009.4.10発行)を買い…

デカルトの円定理

『数学対話』に「デカルトの円定理と一般化」をあげた.春期講習中の計算をまとめたものだ.ヘロンの公式というものがあるが,あの面積公式を=0とおくと,平面上の三点が一直線上にあるための条件を,三点の相互の距離で表すものになる.その計算を行列式で…

時代の課題

春期講習の間,いつも鞄に入れて電車の中で読み通した本がある.『壊れゆく世界と時代の課題』(市野川容孝,小森陽一編,岩波書店,2009.3.26)である.いくつかのテーマについて基調報告と対話で構成されている.昨秋の金融恐慌勃発の前に討論は終えられて…

春期講習終わる

昨日の京都の講義で春期講習が終わった.MG1-MKZ,MKZ-MKXと二コマ連続だった人は大変だったろう.が,誰か「4日終わって達成感がある」といっていたが,こちらもいろいろ面白かった.今日の行事で明日からは日常に戻る.講習中に合間を見て「円定理」の計算…

『数学対話』「反転と円環問題」増訂

『数学対話』の「反転と円環問題」を増訂した.空間の反転を用いてソディーの六球連鎖問題を証明する.日経サイエンスにも紹介されているように.ソディーの六球連鎖問題はソディーより百年早く日本の和算家が解いていた.驚くべきことである.ウエブサイト …

「なんで,私が○○に!?」考

今年もある塾の「なんで,私が○○に!?」という一文が現れた.この一文を皆さんはどのように受けとめただろうか.同業者のことなのであまりいいたくはないのだが,「なんで,私が○○に!?」となるような勉強をしてはならない. 受験勉強とは,まず自分の力を知り…

合格おめでとう(続)

春の暖かさが感じられるようになった.後期のある人はあと一がんばりです.進路の決まった人はそれぞれ新生活の準備に忙しいと思う.こちらも一昨日から新学期が始まった.昨夜も二,三メールが来ていた.高三のとき私のところに来ていてその年は残念ながら…